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ほのぼのを見守る、朝の通勤

今年の6月、転職をして
職場が徒歩で通える場所になった

かれこれ12年程
満員電車にもみくちゃにされながら
くる日もくる日も仕事に向かっていたため

「歩いていける距離ってこんなにストレスフリーなのか!!」

と驚愕した

おかげさまで
これまた日々の「ほのぼの」が
はかどるはかどる

朝、上機嫌で通勤していると
ちょうど近所の小学生の
登校時間とかぶることに気づいた

ランドセルに
黄色のカバーをつけている
恐らく小学一年生と思わしき男の子が
何度も何度もふりかえり
お母さんに手を振っている

お母さんも
そんなに勢いよく振ったら
手が取れてしまうんじゃないかと思うぐらい
ずっとずっと手を振っている

もう息子さん
見えないんじゃないか?という
ギリギリまで
それはそれは一生懸命に手を振っている

息子くんが振り返らなくても
電信柱の隙間から
かろうじて見えるぐらいの所まで
ずっと手を振っている

なんだかその姿に
一人、じーんときてしまった
家族っていいな〜

朝からいいものを見せていただいた
ありがとうございました


翌朝、同じ道で通勤すると
全く同じ親子に遭遇

どうやらこの親子と僕の生活リズムが
しっかり一致してしまった模様

ところが今日は、困ったことに
息子くんの歩く位置が絶妙に悪い

お母さんと息子くんを結ぶ対角線上に
ガッツリ僕が存在してしまっている…

お母さんそれでも負けじと
身体を斜めにし
必死に手を振っている

非常に非常に気まづい

いたたまれなくなり
すぐさま道の端っこの
建物すれすれの位置まで
ひょいっとよけた

お母さん、笑顔で手を振っている
体勢も元に戻ってほっとする
(ごめんね、お母さん)

電信柱の隙間まで見送って
お母さんがようやく手を下ろし
帰っていく背中を見守りながら
僕も元の位置へ、戻っていく

心の中では
「今日もお見送りお疲れ様です」
と、そっと呟きながら
とことこ歩く

親子のほのぼの時間
見守れて、大満足
自分と血の繋がった家族じゃなくたって
こういう姿を見ると
心がほっこりするもんだ

明日もあの道を通って
通勤しよう、そうしよう

ほのぼのは今日も
あらゆるところに
ころころ転がっている

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