山川出版社『詳説日本史探求』の考察⑩
山川出版社発行の『詳説日本史 日本史探求』について、従来の『詳説日本史』からどのような記述の変化があったかを、自らのメモも兼ねてこちらに記していきます。
今後の学習のヒントになりうる要素もあるかもしれませんので、ご自由に活用いただければと思います。
※比較に際して見落としなどが発生している場所もあるかもしれませんのでご了承ください。
※私が参照しているのは2018年発行の『詳説日本史』なので、以後の版で既に修正が加わっている内容もあるかもしれませんが、この点ついてもご了承ください。
※従来の山川出版社『新日本史B』などの記述が統合された箇所なども、変更点として列挙していきます。
《国風文化》
■ 国文学の発達
・平がな、片かなが広く使われるようになったタイミングが「9世紀後半」として記述。従来は「11世紀の初めにほぼ一定し広く使用」となっていました。
・紀貫之に関する記述が欄外へ。
・国文学の背景に『白氏文集』などの中国文学の影響があったことが追記。
■ 浄土の信仰
・浄土教が中国から伝わったものであることが明記。
■ 国風美術
・平等院鳳凰堂扉絵が図版として登場。
・「三蹟」の記述が削除され「三跡」のみに。
・「法成寺」が本文から削除。
■ 貴族の生活
・衣料の材質や意匠の記述が削除。
・庶民や武士などの衣料としての「直垂」が削除。
・年中行事の具体例が欄外から本文へ。
・貴族の日記の記述が欄外から本文へ。合わせて儀式書の記述が追加。