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【編集先記】進化した福井県立恐竜博物館がとんでもなかったので聞いてほしい vol.2

こんにちは。編集長です。

某出版社から刊行予定の某化石案内本の取材のため、福井県立恐竜博物館を訪れました。

建物の外も恐竜だらけ


進化した福井県立恐竜博物館がとんでもなかったので聞いてほしい vol.1の続きからお届けします。


***

9割実物


vol.1の最後に、「絶対に見逃してはいけないヤバイ恐竜化石がある」とお伝えしましたが、早速そのヤバイ恐竜化石をご紹介していきましょう。

まずはこちらを見てください。

カマラサウルス 

見渡す限り立派な恐竜骨格が並ぶフロアに、ひときわ目を引く大迫力の恐竜。
カマラサウルスです。

これ何がヤバイって、実に9割が実物化石で組まれています。

博物館に並ぶ大きな恐竜を見ると、こんな姿の恐竜の骨がそのまま丸ごと発掘されたと思われるかもしれませんが、恐竜の骨が1体分すべて発掘されることはほぼありません。
骨って硬いし、石化すれば永遠に残るような気もしますが、途方もない時間はかつての生物の痕跡を自然に帰してしまうので、よほどの好条件が揃わないと化石には残らないし、化石が残って見つかるだけで奇跡のようなお話なのです。

で、このカマラサウルスですよ。

2009年にアメリカから土付きのまま購入されたもので、クリーニング、補修、複製、研究、復元の過程がすべてここ恐竜博物館で行われました

とはいえ、そんな貴重な化石、普通なら収蔵庫にしまって展示はレプリカでも良さそうなもの。
でもここは、恐竜王国・フクイですから! 実物化石で全身骨格を組むという数年がかりの壮大なプロジェクトを完遂して、この展示に至ったわけであります。

重い頭骨のみ、実物化石が下に展示されていました

ただでさえ大きく迫力がありますが、実物化石がもつこの圧倒的な存在感ってなんでしょうね。
この感覚はぜひ、この場所に立って、感じてもらいたいです。

ちょうどいい位置に巨大な鏡があり、都合良くカマラサウルスと自撮りができます


本当に闘っていた


こちらの化石もヤバイです。

ティラノサウルスロボットの背後に展示された、これ。
みなさん「ふーん」って感じで通り過ぎていましたけど、ちょっと待ってよ!
ヴェロキラプトルとプロトケラトプスが組み合ってるじゃない!

左がプロトケラトプス、右がヴェロキラプトル

しかも超立体で、今まさに組み合っている最中に時が止まり、そのまま朽ち果ててしまったような臨場感。


化石には、「格闘化石」と呼ばれるものがあります。
2体が絡み合うような姿勢で発見されるこの種の化石は、「そう見える」ものも含めていくつか報告がありますが、その時代の情景が少し垣間見られたような気がして興奮しますよね。

これはモンゴルで見つかった化石で、よく見るとプロトケラトプスの頭部にヴェロキラプトルのカギ爪がブッ刺さっていることから、「そう見える」ではなく実際に闘っていたものと考えられるそう。

下からブッ刺してます
こんな感じ(展示パネルより)

ヴェロキラプトル優勢に見えますが、化石になっているということは……そういうことですね。


奇跡を超えた奇跡の化石


先ほど、「骨でもこの時代まで残って見つかるのは奇跡」といいましたが、皮膚や内臓のような軟体部はその比ではありません。

と、ここで問題。
これは何でしょう??

明らかに骨とは違う何かが…!

寄ってみますよ。

向こうに見えるのは筋肉の盛り上がり…?

はい、これぞ福井県立恐竜博物館のまさに「目玉」展示!

ブラキロフォサウルスのミイラです!!!!!

「レオナルド」と愛称のついた標本で、その素晴らしい保存状態から2004年にギネス登録された激ヤバ化石。

見てください、筋肉の盛り上がりや腱の筋などが見事に残っています。
胃の内容物も残されていて、その中に花粉や胞子が認められたそう。植物食で、あまり選り好みはしなかったとみられているそうです。

腱がくっきり!

これはアメリカから10年の期限付きで借りている実物標本とのことなので、ここにあるうちに!ぜひ!何度も足を運んで目に焼き付けてください。

……と、ここまで福井恐竜博のヤバイ恐竜化石をいくつか紹介しましたが、お気づきですか?
福井を恐竜王国たらしめた、張本人たちがまだ登場していないことに!!

安心してください、vol.3に続きます。

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