曽爾高原
「奈良でススキといえばこの場所。三重県との県境近くの曽爾高原です。秋の落ち着いた雰囲気を感じられる場所です。夕日に照らされる16時半頃をねらって、倶留尊山の麓にある遊歩道を登り、階段状になっている所から山を背に撮影しました」
若草山
「奈良公園と春日山原始林との間に位置する3つ重ねの山が、標高342メートルの若草山です。その2つ目の斜面には僕のお気に入りの光景が広がっています。東側に連なる春日山原始林に暮らすシカほどではありませんし、奈良公園のシカも行き来しているのですべてではありませんが、人との距離を保ち、立派な角を持つオスジカに出会えたりと、ここでは野生を感じられます」
奈良公園 大銀杏の下
「大仏殿のそばの大銀杏の下です。良い具合に枝葉が残り、地面いっぱいにイチョウの絨毯が広がる光景は、例年11月20日くらいが見頃です。これまで撮影してきた中で一番心が和んだ光景でした」
奈良公園 浮見堂
「奈良公園の鷺池に浮かぶお堂です。朝は逆光になるので空が白っぽくなります。そこで余白を埋めるようにモミジの隙間から撮影しました。紅葉は真っ赤に染まった姿がもっとも美しいのかもしれませんが、黄と緑が混じるグラデーションも僕は好きなんです」
写真・解説=佐藤和斗
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出典:ひととき2022年11月号