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京都に暮らした、ウィーン生まれの女性デザイナー・上野リチの生涯と作品

旬・美・遊」では旬のおでかけ情報をはじめ、気になる新刊や新商品、見逃せない展覧会や伝統的なお祭といったご当地の話題など、さまざまなトピックをお届けします。(ひととき2021年11月号より)

 昭和の初め、ウィーン生まれの女性デザイナーが日本人建築家との結婚を機に京都で暮らし、多彩なデザイン分野で活躍したことをご存じだろうか。彼女の名は、上野リチ・リックス[Felice [Lizzi] Rix-Ueno、1893〜1967]。

 19世紀末、アール・ヌーヴォーが流行する芸術爛熟期のウィーンに生まれたリチは、工芸学校を卒業すると、デザイン工房「ウィーン工房」の一員として活躍する。やがて日本からウィーン工房に参加していた建築家・上野伊三郎と結ばれたリチは、上野の故郷である京都とウィーンを往来しながら、壁紙やテキスタイルなどの日用品や室内装飾など多彩なデザインを手がけるようになる。

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「プリント布地デザイン[木立]」1925〜35年頃

 世界で初めての上野リチの回顧展となる本展は、リチや同時代を生きた作家たちの作品・資料約370件によって、色彩豊かでどこか愛らしいリチのデザイン世界の全貌を紹介する。

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「七宝飾箱:馬のサーカスⅠ」1950年頃[1987年再製作] 
ともに上野リチ・リックス、京都国立近代美術館蔵京都国立近代美術館蔵
展覧会
上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー
(11/16~2022/1/16)

京都市左京区・京都国立近代美術館 
☎075-761-4111
https://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/2021/444.html

出典:ひととき2021年11月号
※この記事の内容は雑誌発売時のもので、現在とは異なる場合があります。詳細はお出かけの際、現地にお確かめください。




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