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「ひととき」の特集紹介

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旅の月刊誌「ひととき」の特集の一部をお読みいただけます。
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2023年10月の記事一覧

七つの浦を巡って出会う、もうひとつの宮島|歴史が生んだ佳景(後編)

7つの浦の神社を巡る  厳島には、ほかにもたくさんの神々がお鎮まりになる。島の周囲約30キロ、その浦々にも神々が祀られる。船で島を一周しながら、そのうちの7つの浦を拝する嚴島神社の神事が「御島廻り」だ。 「七浦巡り」とも呼ばれるこの神事のいわれが、嚴島神社御鎮座の伝説である。  紅い帆を揚げた船に乗ってやって来た女神は、厳島で鎮座する場所を探していた。地元の有力者と一緒に船に乗っていると、島内からカラスが現れる。神の使いであるこの「神鴉」が一行を導き、ある場所で姿を消し

【宮島】神住まう、島の祈り|歴史が生んだ佳景(前編)

神の島の祈りの歴史 「安芸の宮島」とも呼ばれる厳島は、古名を「いつきしま」という。「神を斎き祀る島」ということだ。  島そのものがご神体である。常緑の深い森に覆われた山々が峻厳にそそり立つこの島の姿を、古代、船で行き交う海の民は畏れ崇めた。神域を侵すなど思いもよらず、瀬戸を隔てた対岸から遥拝、あるいはわずかに岸辺に上がって祈りを捧げた。  島には地元のひとびとにそのように祀られた、たくさんの神がいた。なかでもよく知られる嚴島神社は、縁起によれば593(推古天皇元)年に創