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「ひととき」の特集紹介

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旅の月刊誌「ひととき」の特集の一部をお読みいただけます。
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2023年6月の記事一覧

花火は一瞬、思い出は一生(花火写真家・金武 武さん)

花火との出会いは17歳の夏だった。横浜の山下公園、蒸し暑い大混雑の中でズドンッと大きな花火が輝き、衝撃波で身体が揺さぶられた。 「何て凄いんだ!」 次々開く花火が心に焼き付いた。感動もしたが、同時にショックも受けた。美しく輝いた花火は跡形もなく消えてしまう。なんて儚いのだろう……。感動、ショック、そして涙。あの日から花火を追い掛ける人生が始まった。  コロナ禍以前は国内で年間4000回以上の花火大会が開催されていたという。日本は花火大国だ。そして今年、各地で花火大会が再

日本の花火のはじまりの地、愛知県三河地方・岡崎へ

にっぽんの夏。夏の花火。灼熱の太陽がようやく沈み、ほっと息をつく夜が来るころ、漆黒の空に花火が打ち上がる。ひとつ、ふたつ。そして無数に、次々と。鮮やかな光が花開き、破裂音がどんと身体を震わせる。日本に暮らす私たちにとって、花火とは懐かしい、夏の記憶そのものだ。  江戸時代から続く奉納花火 菅生神社おおらかに流れる乙川のほとりを散歩やジョギングを楽しむひとたちとすれ違いながら歩いていく。愛知県岡崎市は徳川家康の出生地だ。家康の生まれた岡崎城の城下町、そして東海道の宿場町として