日本三名山のひとつ、白山の麓で暮らす写真家の木村芳文さんが記録した「白山、手取川のひととせ」
春桜がほころぶ季節、白山の雪解け水は手取川へと注ぎこみます。川が運ぶのは水の恵みにとどまりません。水とともに運びこまれる大量の土砂こそが、扇状地をつくり、豊かな土壌を育みます。一般に扇状地は水に乏しいと考えられていますが、雪解け水で潤う手取川扇状地は豊かな水田地帯。水に浮かぶ小島のように見える集落は「島集落」と呼ばれています。手取川氾濫の被害を減らすため、わずかでも高い土地に家を建てる知恵です
夏清冽な水と飛び交うホタル──手取峡谷の環境の豊かさを象徴する光景です。ニッコウ