農家への道vol.14:就農準備編①(私が就農を決意するまでのはなし)
これまでの記事の最初と最後はこちら。↓
前回までは、借家を借りて清掃・修繕・引っ越しをするところまで書きましたが、今回からはいよいよ就農準備編を書いていこうと思います。
先月。引っ越しが終わって、ようやくホッとした辺りで、役場の就農担当の方から「年内に就農について1発めの話し合いをしましょう」とお声がけいただき、年末に地区の農林事務所の方と町役場の就農担当の方と三者で打ち合わせを行いました。
私が今やっている農業関連の仕事が来年度中に終了することもあり、2022年度(令和4年)から本格的に研修を受けたい、という意向があったため、農林事務所の方も「あと1年ちょっとだから、早めに計画立てよう」となった模様。
あとは、私が検討している栽培品目がアスパラのため(アスパラは定植してから1~2年はちゃんと収穫できないので、その間はほぼ無収入)、今の仕事をやっているうちから準備を始めたほうがいろいろスムーズだろう、と考えたところが大きいのではないかなと思います。
私はスケジュール感がつかめておらず、もう少し後かなぁなんてのんびりしていたので、急展開に焦りつつ再始動した次第です^^;
今回は、農地を探す等、具体的な話に入る前に、私が就農を決意するまでの経緯を書いていこうと思います。農業や農地法などに関してはまだまだ勉強中なので、間違い等あると思いますが、ご容赦くださいね。
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そもそも、ひとくちに「就農」といっても、親元就農、農業法人に就職、非農家出身から新規就農、などいろいろな形があります。しかも、農家の高齢化が進み、後を継ぐ人がいなかったり、中には鳥獣害の被害がひどすぎて心が折れたりして、結果的に離農してしまう人がものすごく多いのが現状。
また、新規就農しても3~4割の人は数年以内に離農してしまうし、うちの県が発行している新規就農者向けの冊子によれば、新規就農者の中で農業収入で生活できる人の割合は、3年後でようやく7割だそうな。ということは、3割は、就農後3年経っても農業収入で生活できないんですね。
こういう農業を取り巻く厳しい状況を鑑み、自治体や農林事務所などは、新規就農希望者を募りつつ、かつ実際に「就農したい」という人間が現れると、初めはネガティブな側面を中心に伝えます。
自治体にもよるかもしれないけれど、新規就農は失敗する確率がものすごく高いので、良い側面じゃなくて悪い側面をプレゼンし、覚悟を確認する感じなんですよね。
このネガティブシャワーにもめげず、「やります」「やれます」と宣言できた者だけが、新規就農者の最初の一歩を踏み出せる、というわけです。
農業は家庭菜園とは全く違い、農家として起業して農業経営を行うことなので、かなりシビアなんですよね。どの分野での起業でもそうだと思うけれど、経営においては「農業は頭で考えて改善策を探して、かつ工夫できる人じゃないと務まらん」と近所の農家さんにも言われましたし。
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ここでちょっと過去の話をします。上記のような理由(離農者が多い云々)で、私も移住1年目(2019年)はわりとガンガンに期待されて各方面からあれこれ言われました。
私の仕事は、就農することがメインではないし、表向きの最終目標ではないけれど、裏では偉い人に「最終的に就農して成功モデルになってくれ」ってめちゃくちゃ期待されているような状態で。
(この程度の周囲の期待を重く感じてるようでは、新規就農なんてできないよ、と今でこそ思いますが、当時はキツかったですね。)
でも、農作業に由来する身体の故障が相次いだ結果、「あ~私、就農無理なんじゃないの?向いてないんじゃないの??」と超根暗モードに突入して自爆しました。雀の涙ほどの自信は消え失せて、農作業は好きだけど恐怖心もあるような・・・。1年目はそんな微妙な感じで終わりました。
そういうのもあり、移住2年目の去年(2020年)はリハビリがてら、いろんな農家さんのところでお手伝いしたり、やったことのない作業をさせていただいたり。そういう風にしているうちに、気づいたんです。『あれ?今年、身体が動くなぁ、去年より辛くないな』と。
1年目は、農作業に体が慣れていない上、仕事も住環境も何もかも変わり、人間関係も構築できていなかったので、それらが一気に症状として身体に出てしまったようです。
農作業も2年目になり、作業内容も分かってきたし、服装も作業のコツもなんとなく分かって、農業用の筋肉がついたのも良かったのかな。農業の辛さや厳しさだけじゃなくて、楽しさが蘇ってきました。
そんな時、「就農」の2文字を再び検討し始めました。やれるの?やれないの?・・・やれるかやれないかじゃなくて、やりたいかやりたくないのかだよ!自分の中の一言で、目が覚めました。やりたいか、やりたくないか?で言えば、やりたい。私は農業をやりたい。
私が就農を決意した瞬間でした。
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まぁこんな感じで(どんな感じだよ)就農を決めて、農業ができる家を探して、今に至るわけですが・・・ほんと、移住1年目は辛かったです。2年めもだいぶ泣いたけど、1年目はお豆腐メンタルすぎてやばかったです。笑
私が就農をしようと思えるまでには、本当にいろんな葛藤があって、何度も泣いたし落ち込んだし、大変でした。そんな自分、がんばったよなぁっていう気持ちを込めて、ぶっちゃけて書いてみました。だって、誰も味方がいなかったんだもの!
今でこそ、近所の人とかにもいろいろ話せるようになったけれど、楽になったのはここ半年くらいです。これからも大変なことはあるだろうけど、移住1年目までの辛さを思えばどうってことないです。いや、どうかな。作物全滅したりしたらさすがにつらいな。笑
次回は、現在進行形で調整中の農地探しの件について書きたいと思います。また報告しますね♪
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