他者と比較してしまうことこそ

ここ最近、モヤモヤすることがいくつかあったんだけれど、そのどれもが「仕事に関することで他者と自分を比較した結果」モヤモヤしていることに気づいた。家庭のこととかお金のこととかに関しては、不思議とモヤモヤすることは少ないのに、こと「仕事」に関しては他者と自分を比較して落ち込むことが多い。

なぜだろう？

子どもの頃は、○○ちゃんちはいいなあ、とか、家庭に関することも羨んだりしていた気がする。でも今はそれはほとんどない。いや、実際にはあるけれど、感情がどうしようもなく波打つほどに動揺しない、というか。

夫がゴミを捨ててくれたらなあ・・・とか、家事を手伝ってほしいなあ・・・とか、そういう要望は地味にあるが（これは夫本人にもすでに言ってあることなので陰口ではない、と思う。笑）、『○○さんちの旦那さんはいいな～～家事やってくれて』という比較をしてめちゃくちゃ落ち込むほどではないのだ。

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自分なりにこの理由を考えてみたところ、「自分の選択の有無」なのかな、という考えにたどり着いた。

どういうことかというと、生まれ育った家庭環境については、子ども自身でどうこうできないことが多いし、そこに「自分の選択」が絡むこともあまりない気がする（生まれる前に自分の親を選んでくる、という考え方もあるが、その説は考慮に入れていない）。

しかし、配偶者に関しては、（現代の日本において）大抵の場合は「自分の選択」によって相手を決めることが多いと思うので、たとえ相手が家事をしなかったとしても、『私が選んだ結果だもんなあ』と受容しやすいのではないか、ということだ。

この考え方を、先述の仕事に関するモヤモヤに当てはめてみる。同じ考え方をすれば、私は自分で自分の仕事を決めたはずなので、モヤモヤしたとしても受容できるはず。なのに、なぜかうまくできない。感情が波打つ。なにが違うんだろう？？？

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私が仕事に関することでモヤモヤしがちなポイントは以下の４つ。

●資格の有無（名乗れる肩書きがない）

●学歴の有無（頭が良くない）

●仕事ができそうな相手に対する劣等感（仕事に関して器用に立ち回れない）

●職場環境の良さ・悪さ

・・・書き出してみて思ったけれど、純粋に「仕事」に関することって少ない。ほとんどは「仕事」の時に話題に上がりがち＆自分を社会での「商品」とした時に比較されがちなポイントに関してモヤモヤしている。

資格とか学歴とかは完全に自分由来のコンプレックスでしかないし、相手に対する劣等感なんてまさにそうだ。唯一「仕事」に直接関係することは職場環境についてのみ。これも、自分の調査不足といえばそれまでである。

でも。こういった結論では、モヤモヤが収まるはずもなく、もう少し考えてみることにする。

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私はきっと、「仕事」というカテゴリーで他者と比較された（されそう）な時にモヤモヤしているのだと思う。自分を商品とした時に、何の価値もないように感じてしまう。そんな価値のない（と思っている）自分の選択を『信じられない』のがそもそもの原因ではないか。

自分の選択に自信が持てないから、自分で選んだはずの仕事や職場にモヤモヤしてしまう。自分に自信がないから、自分のやっている仕事を誇りに思えず迷ってばかりいる。

仕事上の階級や職名は「分類」に過ぎず、例えばひとくちにカウンセラーといっても、内容は多岐にわたるし、それぞれの労働環境や人としてのバックボーンも異なる。成功して見える人も、隠れた苦悩が数限りなくある場合もあるだろう。そもそもひとつにくくれないのに、比較しようとすること自体がナンセンスであるとも言える。

私はいつも、そういうふうに比較しようがないことで自分と他者を比較して、『ああ、何のスキルもない自分はやっぱりダメだ』と落ち込んで、もっと頑張らなきゃ、という方向に行こうとしてしまう。でもここで私が一番すべきことは、「肩書きを作ろう」と頑張ることではなくて「比較をやめて自分の選択に自信を持つこと」なのだ。

これでも、以前に比べたら他者と自分を比較することは少なくなったんだけれど、「仕事」についてはまだ比較する癖が直っていない。自分の選択を信じることは、「その選択をした過去の自分」を信じて肯定することでもある。

他者と比較してしまうことこそ、意識的に無理矢理にでも肯定し、信じることで道が拓けるものなのかもしれない。そうして試行錯誤を繰り返しているうちに、「今」はあっという間に「過去」になっていく。

過去の自分は間違いだらけで弱くてダメダメだったけれど、過去の自分が生きることを諦めずに喰らいついてくれたからこそ今の自分がある。今現在の私はなんの業績も肩書きもないが、きっと「火事場の馬鹿力」だけは自信を持っていいんだと思う。

自信って、そんなにすぐにつけることはできないから、少しずつ。「仕事」に関して、他者と比較する必要がないくらい一本筋の通った人間になりたい。このモヤモヤも、そのための大事な通過点なのだと思うから。