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「才能」はいつも他者が教えてくれる

私は、行動力がある人間だと思われることが多いように思う。しかし、自分では全くそうは思わない。一旦やり始めたことはわりあい続くほうなのだけれど、「実際やるかどうか」「最初いつやるか」という部分を決めるのに時間がかかるのだ。

いつもの私の記事を客観的に見ると、自分のやりたいことに邁進しているような感じがする。衝動性が高く、勢いで突っ走っているようなイメージを持っている方もいるかもしれないが、案外慎重で初速が遅いので、周囲からは「考えてる暇があったらやったほうが早いよ」と言われたりもする。至極ごもっともな指摘だと自分でも思うくらいだ。

その上、決まるまで自分の考えを人に言わないところがあるので、周囲から見ると『この人は何がしたいんだ』とヤキモキするらしく(皆さんいつもすみません)、みんなそれぞれ「こうせい」「ああせい」と助言をしてくる。私がどうにかこうにか動き始めて舵を取れるようになると、みな一様に安心するらしい。

このように、行動力はなくはないと思うのだが、動くきっかけはいつも他者からの助言やプレッシャー。能動よりも受動、「追い詰められたら強い」タイプとも言えるかもしれない。

でも、振り返って考えてみると、私が今やっていることで自分に合っているものや不思議とうまくいったもの、急激に人気が出たものなどは、どれも他者からの勧めで始めたことばかりだった。

私は10代の頃、人気が出ることや注目されることなんて、一生のうちで多分一度もないであろう、と思っていた。なのに、人からの勧めで始めたことがきっかけで、30歳を過ぎてから謎のフィーバー状態(?)が数回起きた。今日はその体験を書いてみることにする。

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私にとって、人生でもっともフィーバーした(注目された)のは、動画である。某動画投稿サイトに上げた動画が、ある日突然トップページに表示され、まとめサイト等に取り上げられ、最終的にはテレビの取材まで受ける事態になったのだ。再生回数もフォロワー数も超速で伸び、恐ろしいほどの通知音が鳴り響いた。

当時、「バズる」なんて言葉はまだなかったが、最初は『やけにたくさん通知来てるな~』くらいにしか思わなかった。仕事の休憩時間に何気なくスマホを見ると、数十件の通知。友達の少ない私は、未だかつてこんな通知数を見たことがなく、『えっなにが起きた???!』と瞬時にパニックになった。

動画を投稿してから1週間ほど経った頃だったので、通知=動画が原因、となかなか思い至らなかったのだが、事態が判明してからは、実感がないまま動画だけが独り歩きする状態が2週間ほど続いた。

私はもともと、動画を投稿する気なんて微塵もなかった。じゃあなんで投稿し始めたのかというと、友人に「見てみたい」と言われたから。

その友人との関わりは、多分SNSでコメントをくれたのが最初だったと思う。その子は訳あってずっと家にいた子で、私より一回りくらい年下だった。好きな音楽や本の系統が似ていたので、ぽつぽつやり取りをするようになり、最終的には2年くらいの間、ずっとメールで「文通」し続けた。

メールの中で、私たちはいろんな話をした。その子の夢の話や、私がしている仕事の話、あとは散歩でどこそこに行ったとか、おいしかった食べ物とか、他愛のない話も。

そんなある日、私が「子どもの時からよく『動きが奇妙』って言われるんだ~」という話をしたら、その子が「見てみたい!動画にして」と言ったのだ。「え~、無理だよ~~!!」私は反射的に否定したけれど、その子は、趣味の動画をすでに動画サイトに上げていたので、「大丈夫だって、はなさんもやってみて!」と熱心に勧めてくれた。

どうしようかなあ・・・と少し悩んだけれど、私の行動が、彼女を少しでも勇気づけたり元気になったりしてもらえたらいいな、と思って「私、やってみるよ」と彼女に告げた。

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内容は、ジャンルが決まっていたのでそこまで悩まなかった。ほぼ一発撮りに近い形だったけれど、その時は『とりあえず1つ上げて、すぐに消してもいいかな』と思っていた。

アップロードした動画を見て、彼女は本当に喜んでくれた。そして、1本でやめるつもりだったのに、あまりにも喜んでくれたので、やめるにやめられなくなり、その後、数本の動画を上げた。謎のフィーバーは、ちょうどそんなタイミングで起きたのである。

不特定多数の人が動画を見てくれて、大爆笑してくれた(私は真剣にやったんだけれど、ギャグ系の動画になってしまった)。叩かれるかと思いきや、思いのほか好意的な反応が多くて、今度こそやめるわけにいかなくなってしまった。

その動画で私がやったことは、子どもの頃から好きでやっていたけれど、自分では「特別」だとは思っていなかったことだ。自分では分からなくても、友人はそれが「特別」だと見抜いてくれたんだな、今では思う。

手相鑑定も「向いてると思うからやってみたら」と母に勧められて資格を取り、イベントに出たりしたが、ここでも謎のフィーバーが起きた。今では動画も手相鑑定もやっていないし、才能があったのかどうかというのも実際のところ不明だけれど、結果的にいろんな人に楽しんでもらえた。今の農業関連の仕事も、他者に勧められなければやっていなかったので、人生って何があるか本当に分からない。

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今回の話で大事なことは、「自分の主観」でジャッジしないことである。自分は向いていないと思う、自分にはできないと思う・・・などの主観的な感覚に従わず、「とりあえず素直にチャレンジしてみる」ことが重要なのだ。

他者は、冷静に私のことを見ているので、自分では分かっていない「才能」を教えてくれることが多いように感じる。他者が勧めてくれたことにチャレンジしたあと、それを続けるか、深めていくかどうかは自分の判断になるが、「自分ではやらないようなこと」に素直に挑戦することは、結果的に才能を発見する近道であるような気がする。

自分ひとりで道を切り拓く人もいると思うし、今回の話はすべての人に当てはまる方法ではないと思う。けれど、私の場合は他者が「他者は才能のメッセンジャー」と考えて、できる限り勧められた物事に触れるようにしている。

自分の「才能」について知りたい方は、他者の視点を借りて深めていくのもひとつの方法かな、と思うので、だまされたと思って、ぜひ試してみてくださいね。行動化すると変容が早いですよ!

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