私は本当に非暴力か。~ヨガから学ぶ生き方のヒント~
ヨガの学びの中の一つに、非暴力(サンスクリット語でアヒンサ)というものがあります。
非暴力と聞いて連想するものは何でしょう?
人に手をあげないことが一番に想定されると思います。
その他にも、相手に対して暴言を吐いたりしない、なども含まれます。いわゆる言葉の暴力というやつですね。
そして、見落としがちですがそれは「自分自身に暴力を振るわないこと」も含まれます。
体を壊すまで無理をすること、自分を追い込みすぎることも暴力。
それを自分のために辞める勇気を持つことがすなわち非暴力になるのだと思います。
ヨガの講座に出ていた時に印象的だったのは、「もって生まれた肺を呼吸で隅々まで使わないことは暴力」だ、と言われたことです。
私は普段の呼吸がとても浅いので特にドキッとしました。
(深呼吸、深呼吸!)
ヨガをする人は、こういったヨガの教えをオンマット・オフマット、つまりヨガマットの上でも外でも意識をして生活するように、とされています。
オンマットでは、いくらレッスンで周りの人がすごいポーズを完成させていたとしても、その時の自分の体の調子に合わせた痛みのないところで止めておくこと。
オフマットでは、働きすぎて体を酷使しすぎるのを防いだり、体にいいものを食べて健康を維持するようにしたりすることが挙げられますね。
では、今鬱を患っている人の場合はどうでしょう。
そもそも、やはり外的・内的な要因問わず、自分に対して過酷な状況下にあったから鬱という症状が出ているのだと私は思います。
その弱っている自分を、さらに責めることはしない。
鬱の症状が出ているのだから、それ以上の無理は重ねない選択をする。
状況が許すようであれば、原因となった場所から一時的にでも距離をとること。そんなことが非暴力なのかなと思います。
鬱になる人は生真面目で優しい人が多いとよく言われますね。
その分、自分にその生真面目さや優しさが使われていないことも多い気がします。近年注目されているセルフコンパッション、自分への思いやりというものですね。
つい置き去りにしてしまう自分の心と体の声を聴いて、迷ったら「非暴力」である方を選ぶ。
私もまだまだ練習中ですが、これを機に、自分に必要な優しさ、寛大さを身に着けていきたいところです。