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🍀【伝承シリーズ】子どもにしっかり伝えたい「君が代」の秘密と魅力

今日は日本の国歌「君が代」についてお話しします。

学校の式典や運動会などで耳にすることが多い「君が代」。でも、その歌詞や曲にどんな意味があるのか、その歴史についてご存知ですか?
意外と知らない方も多いかも知れません。

実は!
「君が代」には、日本ならではの歴史や文化がたっぷり詰まっているのです。

お子さんにも分かりやすく、大人も「へぇー!」となるエピソードを交えてお伝えしますね。ぜひお子さんに伝えてあげて下さい。


🍀君が代の歌詞、どんな意味?

まず、「君が代」の歌詞を見てみましょう。

君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
巌となりて
苔のむすまで


これを今の言葉で訳すと…

「あなたの時代が、千年も八千年も続いて、小さな石が大きな岩になり、苔がむすほど長く幸せが続きますように」

どうですか?

平安時代に詠まれた和歌が元になっていて、『古今和歌集』(10世紀初頭)や『和漢朗詠集』(11世紀)に、類似の歌が収録されているそうです。

元々は祝賀の場で詠まれるお祝いの歌だったようで、誰かの幸せや平和を願う気持ちが表れていると言うことです。

歌詞の「君」は、昔は天皇を指していると考えられていましたが、今では「家族」や「日本の人々」を意味するとも考えられています。

🍀曲の由来、ご存知ですか?

「君が代」の歌詞が和歌から来ていることは分かりました。では、曲はどうやってできたのでしょう?

実は、「君が代」のメロディーには不思議な歴史があります。

◆最初のメロディーは別だった!

1870年(明治3年)、イギリス人の軍楽隊指導者ジョン・ウィリアム・フェントンさんが、「日本にも国歌を作った方がいい」と提案しました。そのとき、「君が代」に最初のメロディーを付けたのがフェントンさんだったそうです。
ところが、このメロディーは日本人にはあまり馴染まなく、ほとんど広まりませんでした。

◆現在のメロディーが誕生!

その後、1880年(明治13年)、宮内省式部職雅楽課(みやのうしょう しきぶしょく ががくか)の奥好義(おく よしちか)さんと林廣守(はやし ひろもり)さんが中心となり、新しいメロディーが作られました。
このメロディーは、**雅楽(ががく)**という日本の伝統音楽の影響を受けていて、とても静かで厳かな雰囲気が特徴です。

こうして、「君が代」は日本らしい音楽に生まれ変わり、いま、国歌として歌われています。

🍀他の国歌とどう違うの?

世界にはたくさんの国歌がありますが、「君が代」にはこんな特徴があります。

◆短いけど深い!

「君が代」は歌詞がたったの31文字だけ。これは和歌の形式そのままです。他の国歌は長い歌詞が多いですが(ギリシャの「自由への賛歌」は158節あり、すべて歌うと1時間以上かかるそうです。「君が代」は1分以内に歌うことができます。)「君が代」は短い中に深い意味が込められているのが特徴です。

歌詞中の「君」は伝統的に天皇を指し、天皇制を中心とした日本の国家観を反映しています。
ただ、現代では「日本そのもの」や「人々の繁栄」とも解釈されています。

◆ 静かでおだやか

他の国の国歌は、トランペットや太鼓の音で「ジャン!」と盛り上がる曲が多いですが、「君が代」は雅楽などの影響もあり、とてもおだやか。聞いていると心がスーッと落ち着く感じがします。

◆歌詞の内容の違い

他国の多くの国歌は、国の誕生、独立、戦争の勝利、または愛国心を強く訴える内容が主流です。例えば。。

アメリカ:「星条旗」(The Star-Spangled Banner)は、戦争中の砲火の中で揚がり続けた国旗を讃える内容です。
フランス:「ラ・マルセイエーズ」は、フランス革命時の戦闘を歌い、自由と独立への強い決意を表しています。
ドイツ:「ドイツの歌」(Das Lied der Deutschen)は、統一と繁栄を称えています(現在は1番ではなく3番を歌います)。

「君が代」の歌詞は、国や国民の長寿や繁栄、平和を願う内容です。特定の戦いや革命、愛国心を直接的に歌うものではなく、非常に静かで穏やかに幸せを願う内容になっています。

🍀歌詞に出てくる「さざれ石」って?

歌詞の中に出てくる「さざれ石」って、何だろう?と思いますよね。

実はこれ、小さな石が長い時間をかけてくっついて大きな岩になったものです。全国各地で「さざれ石」を見ることができるので、家族で見に行くのも楽しいかもしれません!

この「さざれ石」は、「みんなの力が集まれば大きなものができる」という日本の価値観を表しているとも言えます。

🍀家族で「君が代」を楽しむ方法

「君が代」は、ただの国歌ではありません。1000年以上の歴史を持つ、日本人の心が詰まった歌です。

運動会や式典などで耳にするとき、お子さんと一緒にこんな話をしてみるのもいいですね。

「この歌には、みんなが幸せでいられるように、っていう願いが込められてるんだよ」

「君が代」を聞きながら、家族の健康や平和を祈る時間にしてみてはいかがでしょうか?

🍀世界に誇れる国歌

実は、「君が代」の独特のメロディーや内容は、海外でも「特別な国歌」として注目されています。

「とても静かで美しい」「荘厳で落ち着いた印象」「長い歴史を感じる」など、高く評価する声もあるのです。

🍀日本の心のうた

「君が代」は、1000年を超える歴史を持ち、家族や平和への願いと心が込められた特別な歌です。
お子さんと一緒にこの歌の意味を考えることで、日本の文化や心を学ぶきっかけにもなります。

ぜひ、これから「君が代」を耳にするたびに、その奥深さを思い出してみてください。

そして、想いと心を、子どもたちに伝承していきたいですね。私はそう願っています。

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