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189 やる気より決めてしまうこと
そんなに毎日、やる気は起きない
やる気、モチベーションってやつは、気まぐれだ。自分にやる気がなくても、他人からは「あいつ、やる気があるな」と思われてしまうこともあれば、やる気があるのに「どうした」と心配されることもある。
だいたい、そんなに毎日、やる気なんて起きるわけではない。「さあ、やるぞ!」と声に出せば、やる気なのか。確かに、声に出すことで自己暗示できることもあるかもしれない。だけど、もともとやる気はなかったんだから、声に出して入ったスイッチがどれだけの結果に結びつくかなんて、誰にもわからない。
やる気と結果の因果関係を考えてみると、必ずしもやる気度数に見合った結果が出ているのか、とても疑問を感じてしまう。やる気があっても三振ばっかりの時だってあるだろう。「やる気はあるんだけどな」と言ったところで、誰も同情してくれない。やる気は、結局、本人の問題だから。
「もっとやる気を出せ!」とハッパを掛けるなんて時代がかつてはあったろうし、いまも組織や家庭によっては、そんなことを言う人もいるだろう。
自分以外の人の「やる気」を鼓舞することを、従来から推奨する雰囲気はある。応援の存在は、やる気に結びつくと考えられているからだ。
しかし、高校野球を見ていると、すばらしい応援団がいても、負けるときは負けてしまうのである。
個人的には、やる気はどうでもいいのである。そうじゃないと、やる気のない時に、何も出来なくなる。やる気があろうとなかろうと、結果を出すことを自分で決めてしまえばそれでいいと考えている。
「今日はこれを、ここまでやる」と決めるだけでいい。
たとえば、やる気のあるときは1キロ走るけど、ないときは100メートルで終わらせるというのなら、別にそれはそれでいいけれど、「朝9時から1キロ走る」と決めて実行すれば、やる気なんてゼロでも構わない。
「イヤイヤやるんじゃない!」と指摘する人がいたとしても、結果、1キロ走ればそれでいいのである。イヤイヤやったってぜんぜん構わない。
決めたときに自分を外から見える
やる気について考えると、それは自分を見ることだろうし、しかも自分の内側から考える発想だろう。
だけど、決めてしまうと、あとは自分を突き放して外から見ることができる。自分の内側はとりあえず放って置いて、「こいつやる気ねえな」と思いつつも「でも1キロ走るよね」と思える。「ほら、走った」と。
やる気があってもなくても、結果が同じなのだから、それでいい。
仕事だってそうだ。「今日はこれをここまでやる」と決めておけば、やる気なんてどうでもいい。それをやりさえすればいい。やる気がないので、手をつけても、目標まで到達しないかもしれない。だとしても、そもそもやる気はないのだから、なんにもしなかったことに比べるとかなりやっている。
この文章もそうだ。きょうはまったくやる気がない。土曜日の午後、なんにも思いつかない。それでも決めたのだ。「とにかくnoteを書く」と。そして「1500文字から2000文字ぐらい書けばいいよね」と。
するとどうだろう。こいつはやる気がないのに、もう1200字書いているじゃないか。だったらやる気がある時は何文字書くんだ? そんなにいらないだろう。なるほど、やる気があってもなくても、結果は同じだなあ、となっていく。
恐らく、多くの人は、ランチを食べるとき、これに似た状態だと思う。お腹がすいているかどうか、食べたいものがあるかどうかは、あまり関係がない。昼になる。ランチを食べる。以上である。モチベーションの低い人はランチを食べない、とは限らない。むしろ、関係なく食べているはずだ。
「とりあえず、なにか腹に入れておこう」と考えたとしても、なにも問題はないのである。結果的にランチを食べているのだから。
なお、勝敗のようなどうなるかわからない結果を「決める」のはオススメしない。たとえば「最高のプレゼン資料を作る」なんて決めるとただ地獄なだけである。「午前中にプレゼン資料を作る」だけで十分だ。
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