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361 詩 コトバ

コトバ

違うコトバで歌え
これまで使ったことのないコトバ
聞いたこともないコトバ
意味のわからないコトバ
さっぱり理解できないけれど
何かが伝わってくる
布でドリップするコーヒーみたいに
わずかずつ絞り出されてくる滴を
飲み干そう
ほら、もう別人になっている

同じコトバで歌え
いつも使っている親しいコトバ
誰もが知っているコトバ
ありきたりで安心なコトバ
わかりきっている気になるけど
いつもと違う何かが
硬いカボスを潰すように
鋭い香りを放って滴って
喉の奥に浸みる
ああ、なんて苦いんだろう


これは冬の光景なんだけど。



 

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