ほんまシュンジ
1980年代、大学卒業。営業。そして出版へ転職。
1990年代、専門雑誌。編集、ライタ…
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359 詩 五月の冷たい雨
五月の冷たい雨甘い酒注いできて、なにか言っている
ぜんぜん耳に入ってこないし
心にも響いて来ない
どうしてそこにいるのかもわからない
ただ時間が過ぎて行くのを待っている
あれは五月だったから
もう昔の話だね
きっと忘れている
友達の車を借りたからってキーを見せて
それがなんだか知られたクルマ
だからなんだって言うの
そんなのに乗ってガキじゃあるまいし
喜んだふりなんてもうしたくないんだ
あれは冷
358 詩 いくつもの扉
いくつもの扉ぼくは小説を読む
君は歌を聴く
諦めきれない季節が
なにもしなくても過ぎてしまう
どこで道を失ったか
わかったとしても戻れない
いくつもの扉があって
その向こうへ行くべきなんだ
いくつもの扉を抜けて
ずっと遠くへ行くべきなんだ
ぼくは大声で叫ぶ
君は耳を塞ぐ
時間を失ったままで
すれ違うだけの日々を送る
いつまで続くの
なにを聞いても答えはない
いくつもの扉があった
そこを通り抜ける