『気になり飯 うまうまノート2』(室井滋)

今回ご紹介するのは『気になり飯 うまうまノート2』です。
あの室井滋さんが書いた本です。俳優業のイメージが強いですが、もう何冊も本を執筆されています。室井さんが本を書かれていることを、初めて知った方もいるでしょう。私もその一人です。

総合的に見て、共感できた点が多かったエッセイです。
まず、唯一共感できなかった点(残念だった点)は
・室井さんの前を歩く女性3に対して苦言を呈している点(「彼のためにオムライス?」より)
です。
これは、一番初めの章の目的の中華レストランに行く途中で、室井さんの前をタバコを吸いながら女性3人組が歩いているシーンのことです。
私もタバコ嫌いだから苦言を呈するのは分かるけど、レストランに着くまでの苦言が長すぎます。テーマはこの中華レストランのオムライスなのに。
しかも最初の章だから、読み始めでつまらないと思った人は読み進めずにやめちゃうでしょう。非常に勿体ない書き方です。

共感・気に入った点は沢山ありました。
・室井さんの挿絵が素敵
・室井さんの食べっぷりが心地よい
・食べものに関する悪口・批判が無い
・キザってない書き方が読んでいて不快にならない
・食べたい!と思った食べものに出会えた

1つ目の挿絵ですが、章のはじめに挿絵が入っています。
可愛らしい挿絵で、誰が描いたのか?と思ったら室井さんのサインがありました。室井さんが書き留めている「うまうまノート」にきっと描いてある絵だと思います。

2つ目ですが、あのスタイルなのに、食べる、食べる。
ホットケーキ、蕎麦、中華、車の中でおにぎりを幾つも…。
しかしただの大食いではなく、色んなものを食べたい!というやんちゃな食いしん坊のような感じです。食べっぷりが潔いです。

3つ目は、星で採点する批評家の本ではなく、本当に室井さんが美味しかったと思うものを紹介しているので、辛口コメントが無く気分がいいのです。
私も色々ケチをつけてしまう人なんですが、良いと思ったものを、不快感を与えないような批判無しで伝えるこの難しさよ…。

4つ目のポイントは3つ目と被りますが、美食家の蘊蓄話ではないので
気楽に読み進められる良さがあります。
美食家の蘊蓄話には「どうだ知らないだろう?」と言わんばかりの用語を多用していたり、一人で悦に入って読者がついていけない感じがして、どうも嫌なところがあります。多分、室井さんの富山弁に温かみを感じ、それも一役買っているのだと思います。

5つ目のポイントは、やはり私も食いしん坊なんで
食べたい食べ物を色々発見できたのは嬉しいことです。
(というより紹介されている全てを食べてみたいと思ったんですが)
中でも超超気になったのは
・昆布は小樽市の『利尻屋みのや』の「湯ドーフ昆布」の大ファン

・うちにはお茶漬けのもととして常備しているものが三つある。 一つは石川県金沢市にある日本料理『銭屋』の〝わかめ茶漬〟の瓶詰。一つは京都の料亭『菊乃井』の〝お茶漬のもと〟。あと一つは、我が故郷から送ってもらう、スケトウダラの干したものだ。(中略)
アツアツの干しダラに熱いお湯を注ぎ、しばらく浸したままにして、魚の強い塩っけを父が抜く。その間に母が富山米を茶碗によそって、小皿にもみ海苔と刻みミョウガと大葉、そして緑茶の入った急須を用意する。 約7~8分、干しダラの身がお湯になじんでシンナリしたころ、それを取りあげて身をほぐし、ご飯の上にまぶしていく。海苔や青物を添えて、その上からサーッとお茶をかけるときの父の顔が満足そうにほころぶのを見届けると、私はついに言わずにはいられなくなった。 「ねえ、お父さん、ちょびっと、ちょびっとだけでいいがいちゃ。私にも干しダラのお茶漬け、食べさせてったはれよ」と。(「ああ、しみじみお茶漬け」より)

・穀類や豆類は代謝を上げるので朝からしっかり摂るが、私は今回朝食に最適というメニューをさらに1品加える習慣にした。 それは丸ごとトマト1個を必ず食べるというもの。しかも、生やジュースではなく、トマトを茹でるのだ。うどんのダシやおでんのダシが一緒でも美味しい。前夜の鍋の残りのスープに入れたってかまわない。 温かなトマトは口の中で溶けて、すぐに液状になり、朝早くても嚙むのが苦痛ではない。(「36℃奪還作戦」より)

昆布については私も相当うるさく、高いけど奥井海生堂の日高昆布、生活クラブのみついし昆布を食べています。でも、この湯豆腐昆布は気になりましたよ。Amazonでも販売してるみないなので買ってみようかな。水に戻すだけで食べられる、若い昆布のようです。
干しダラのお茶漬けは、もうシメのご飯じゃなくてお酒が進んじゃいますよね。室井さんのお父さんが日本酒を嗜み、お茶漬けを食べていた気持ちが分かります。子どもの室井さんにも魅力的に映ったんでしょう。実は私、干しダラ食べたことが無いのですよ。
最後の茹でトマトは、これを食べると代謝が上がりやすくなるそうです。
冷え性の私は、これ試してみたいと思います。なんせトマトって当たり外れがあると生で食べたくないもの。
これだったら毎日つづけられそうです!

ということで
・みなさんはおいしいと思った食べものについて日記形式で記録しているものはありますか。挿絵つき、絵日記みたいな記録をしている方がいたら教えてください。
・人に何かを紹介するとき、批評家のような物言いや書き方をしてしまう人はいますか?また、室井さんのような心地よい食べものの紹介をしている人や本があったら教えてください。
・おすすめの昆布(日高昆布)でおすすめの商品があったら教えてください。
・お茶漬けは何の具が好きですか?

ではまた!

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