『流浪のグルメ』(土山しげる)

今回ご紹介するのは『流浪のグルメ』(土山しげる)です。

え?今まであれだけ文句言っておきながら、まだ土山氏の漫画読んでるの?と呆れた方。
はい、本書で土山氏の漫画はとりあえずお終いにします。

ということで感想です。
共感できた点は下記3つ。
・無駄のない構成
・地元の人が共感できそうなご飯の紹介
・キャラクターが面白い

無駄のない構成に関しては、伏線とかご飯に関係ない仕事の話も出てくる漫画もありますが(そっちの方が多い漫画も多い)、『流浪のグルメ』はそれが殆どありません。というのもトラック運転手の錠二がムダの無いスケジュールを組んで東北めしを食べるよう指示するストーリーだから。

地元の方にとって共感できるような東北めしなんじゃないか?と思ったのは、漫画の中の語り、購入するお店や立地の部分からそう思いました。B級グルメだけじゃない、本当に地元の人が食べているであろう東北めしです。

キャラクターについては、見た目コワモテのお兄さん・錠二が必死に東北めしを紹介して搬走(帆走)しているのがシュールで面白いと思いました。錠二はトラック運転手で、走行中にお金をなくして困ってる人をピックアップして助けます。更にポケットマネーで東北めしを食べさせる優しさが見た目とギャップがあり、東北親善大使のように感じました。
東北めしを、みっちりスケジューリングして食べさせるとは押しつけがましいと感じる方もいると思うけど、錠二のキャラクターがそうは感じさせません。

共感できなかった点。それは料理の蘊蓄がかなり少ないこと。
無駄の無い構成であるが故、さっと食べて「はい次!」みたいに流されてしまっている部分もあります。
そしてそのご飯がどのように美味しいのか表現に乏しくもあります。
例えば、お米が主食の東北めしに関しては「白米が美味い」と何度か書いてあるので、え?そこですか?(苦笑)と突っ込みたくなります。何を美味しいと感じるかは人それぞれですが、何だか下手な食レポのようです。
また、個人的に気になった東北めしはせんべい汁です。錠二が以前食べたB級グルメのせんべい汁は不味く、本書で3種類も平らげてしまったせんべい汁は何が違うのか、もっと語ってほしかったです。

とは言え、土山氏の漫画では唯一面白かった漫画だと思います。
当分土山氏の漫画を読むことはないと思うので、良い漫画に出会えて良かったと思います。

・みなさんのおすすめの東北めしは何ですか?
・せんべい汁が食べられる東京のお店、あったら教えてください。また、家でのおすすめの作り方も教えてください。
・B級グルメと地元めし、こんなに違うんだから!と語れるグルメ、ありますか?
・ここに行ったら絶対これ食べて!という東北めしがあったら教えてほしいです。

ではまた!

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