1/3の純情な本条 2019-1
今年の「未来」4月号までの掲載歌を、まとめてちょこっとずつご紹介してみます。それと、他のところに投稿したものも。
読みさしの歌集を開けばゆるやかに歌は流れてここは川べり/本条恵
「未来」2019年1月号
1月号は、「今までエクセシオールだと思っていたお店がエクセルシオールだった」という驚きを発端に編んだ、「カフェでひと休みして本を読んでる」連作です。作中では、文字数の関係でドトールになっています(系列店ということで許して欲しい)。
読んでいたのは、飯田彩乃さんの歌集『リヴァーサイド』だったのでした、という小ネタをこっそり投下。
まだそこにいるのだろうか屋上の床に誰かが描いた天使は/本条恵
「未来」2019年2月号
2月号は、「すごく久しぶりに大学祭を覗きに行きました」な連作。
引用歌は、サークル会館(部室棟)にまつわる歌です。いろいろと感慨深い。
夢の中だから僕らはポップコーンに三千円を払ってしまう/本条恵
「未来」2019年3月号
3月号は、「ディズニーランドは夢の国」というタイトルで(この辺から時々タイトルをつけるようになりました)。
「ディズニーあるある」と「ディズニーランドに行ってきたレポ」とが混在してしまったので、読みにくいと自分でも思う。
お正月特番のなか捕らわれる映像(シーン)ばかりの猪である/本条恵
「未来」2019年4月号
4月号は「亥年のはじまり」というタイトルで10首。
お正月にテレビをザッピングしていたら、「畑を荒らす厄介者!猪の捕獲大作戦!」みたいなやつをやっていて、スポットライトの当てられ方が不憫だなぁって。余談ながら、Eテレ「0655」の今年の干支ソング、良くないですか? オレ、いのししだし~♪
https://www.youtube.com/watch?v=mYz3zGqkK1g
ここからは、「短歌研究」に投稿した、いわゆる「短歌研究詠草」です。
歌書は手にずっしり重くこのひとの十七年を二晩で読む/本条恵
「短歌研究」2019年1月号
「歌」で5首送って、2首掲載されました。「ずっしり重く」を他の語に変えたい気もする。
猫が好き誰かの飼ってる猫が好きそう言って君は少し笑った/本条恵
「短歌研究」2019年2月号
せっかくだから「未来」ではあまりやらないことをやりたいなぁと思って、相聞っぽいのを5首(うち2首掲載)。
甘やかなみどりの毒を身に抱き水飲み鳥はお辞儀を止めない/本条恵
「短歌研究」2019年3月号
「鳥」で5首(うち2首掲載)。良く言えばことば遊び、普通に言えば駄洒落の歌をそこそこよく作るのですが、そういう1首です。みずのみどり。
明日からは滑走路のない町へいく麦など育てて生きてくつもり/本条恵
「短歌研究」2019年4月号
「飛行機」で5首。「もー、どうあっても短歌研究たんは私の歌を2首しか載せないつもりねっ!」とか思っていたら、4月号は1首掲載だったので心底「生意気言ってすみませんでした……」という気持ちになった。反省。
仏壇の部屋のこたつでツムツムのハートを義姉(あね)と送り合う新春/本条恵
ネットプリント「長子ネプリ 優先」
締切は去年末だったけど、発行は1月だったと思うのでこちらに。
6首の中から、一人っ子だけど姉が出来たぜ!な歌を引用。そして「未来」の4月号には、その対っぽい歌を。
姪っ子のツムツムが上手くなっていて週間ランクは私の二個上/本条恵
「未来」2019年4月号
あの親子、マジ強い……義姉が強いのは元からだけど、もう姪ちゃんにも歯が立たぬ……。(でもなぜかちょっとうれしい)