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「首」 北野武

昨晩、「首」を観てきました。ぼくは戦国時代にあまり興味がなく、知識がありません。どのくらいないかというと、明智光秀が織田信長を本能寺の変で殺害したことすら、「あれ?どっちがどっちを?」という程度なので、おそらく史実に詳しい方や戦国時代ファンの方でなくても、呆れるくらいです。

その点からの評価はできないので、単に短い感想を書きます。感じたことだけ言えば、ぼくがヤクザ映画も戦国時代ものもあまり好きではない理由がわかったというところです。(以降もネタバレなし)


それなのになぜ観に行くのか?と思うかも知れませんが、北野映画だからです。ただ、俗に言う北野映画ではないことは、プロモーションからも、昨今の作品からも感じています。でも、とりあえずは観に行こうということです。ぼくは北野映画が好きですが、それはいくつかの作品に限られます。具体的には3-4X10月、ソナチネ、HANA-BIだけです。BROTHERは悪くないと思いますが、あくまで俳優としての評価に留めています。最近のアウトレイジに関しては、その男、凶暴につきを観た際と同じですが、特に何も残らない作品だと思いました。観ても観なくてもなにもぼくの中では変わらない。

だから、わざわざ観に行く理由はなさそうではあったのですが、先程書いたように、とりあえず観てみようということです。このような場合、ネット配信では余計に観ないと思うんですよね。そもそも、北野映画をネット配信で観るのは手段が限られるでしょうしね。

描かれたものが史実通りかはさておき、なぜこれを作りたかったんだろう?という疑問は感じました。

ぼくが好きな北野映画っぽさはあったような、なかったような、ないわけではないがたいへん薄味でした。どうやら、ぼくが好きな”あの”北野映画は94年の交通事故前後に限られるらしいです。あの頃はぜんぜん違ったんでしょうね、本人の何かが。

そういう意味では、その男、凶暴につきに戻ったような、単にヤクザ映画が好きなだけというか、どっちがただしいとは言わないけれど、元に戻っただけなのかも知れないし、ぼくが勘違いしているだけかも知れません。しかし、芸人になる前に若松プロで端役を演じていたとは、Wikiを観てはじめて知りました。

難しい評価になりそうな作品だなと思うけれど、ぼくにとって「首」があの時代に興味を持つきっかけになったのでよかったと思います。ゴジラ-1に続き、ずいぶんと古臭く男臭い映画を観ちゃったなあという印象です。

思い出してみれば、たけし軍団であったり、ビートたけしの番組自体、若いやつを鉄砲玉に使って討ち死にさせ、大将は高いところから見下ろしてはそれを笑い、よくやったと情でねぎらうものなので、ずっと同じことやってるし、やりたいし、そういう世界が好きなんだなと思いました。

終始、加瀬亮頼りでしたね。加瀬亮はいいよね。SPECもよかったし。加瀬亮がいたからできた作品であり、それでしかないという見方もできると思いました。

そういえば、エンドロールの最後の最後に「この映画では動物を虐待していません」ってあったのには驚いてしまいました。あんなこと書かないといけない世界なんですね。ひえー

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