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上野千鶴子から影響を受けた女性

Vol 13  日本 1980年代の働く女性
 
少し前に、中国のネットで、北京大学女子大学生三人と上野千鶴子教授と対談の動画が話題になっていました。
ブロガーたちは、上野千鶴子という人物や日本のフェミニズムについて語り続けていました。

日本に30年以上暮らしている私は、それらの紹介から、上野千鶴子さんのこととフェミニズムを教えられたように感じました。
 
しかし、上野さんの本を読んだことはなく、彼女の業績についてもよく知りません。私の周りの高齢者でない日本人の知人友人も、このことに関しては、私と変わらないぐらい詳しくないようです。
 
だた、彼らと違って、論争の中で「フェミニズム」という言葉が頻繁に使われたことで、私は、10数年前に市民団体の活動で出会った、ある日本人女性のことを連想させられました。高野史枝さんという方で、それ以来、彼女とは親しく連絡を取り合っている友人関係です。

女性問題や社会問題などのフォーラムで講演する高野さん

初めて出会った「フェミニスト」

高野史枝さんは、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などで長く活躍するフリーランスのメディアにおけるプロフェッショナルな女性です。テレビやラジオの文化番組の脚本の執筆、ラジオ番組のレギュラーとして本の紹介や映画評、グルメレポーターなどの出演のほか、著書も出版されています。
彼女と出会ってから、周りの友人たちの驚きの声によって、高野さんが中部地方の一般民衆に有名人であることを知りました。
 
高野さんが出演するラジオ番組では、運転中の眠気を吹き飛ばすような知識や逸話を耳にすることができるため、普段から車を運転する人の中には、高野さんの声を知っている人も多いです。
 
また、映画ファンにとっては、新作映画紹介欄で国内外の映画の最新情報を、高野さんの文章で知ることができ、新作映画の公開を心待ちにしている人も少なくありません。

高野さんと同世代の日本女性の多くは家庭的であり、数少ない職業女性であっても、高野さんのように行動範囲がひろく、自分の考えをしっかり持ち、意見を率直に言える人はあまり見られませんでした。

男性との議論では、高野さんは、鋭い洞察力と鋭い口調で、差別的な発言や考え方をする男性に直接異議を唱える場面も少なくありませんでした。
高野さんのことを「フェミニストだ」と褒める男性もいましたが、型破りな女性に違和感を覚えることもあったようです。

映画「男子料理」の監督(右)として撮影中

高野さんと知り合ってから、彼女が所属していた「ワーキングウーマン」の活動の話をよく聞き、時にはその勉強会に連れて行ってもらうこともありました。しかし、当時の私は、フェミニズムの概念も、「ワーキングウーマン」の活動全貌もよくわかっていませんでした。
 
しかし、会員たちが一般の日本女性と違うことを認識していました。彼女たちは、女性の権利に対する強い意識を共有し、社会における女性の地位を変えるための活動を積極的に行い、知的女性の姿勢が印象的でした。熱意と行動力に溢れていた彼女たちと対照的に、引っ込み思案で、従順であるという特徴を持つのは当時の典型的な日本人女性の姿でした。

上野千鶴子さんからの影響

高野さんは上野千鶴子さんより少し年下で、「北京大学女子大学生と上野千鶴子教授の対談」が話題になったとき、私は高野さんに 「あなたたちのあの頃の活動は上野千鶴子さんと関係があったのですか?」と聞きましました。

仕事中の高野さん

高野さんは次のような回答が来ました。

「上野千鶴子さんは、私たちにフェミニズムの基礎を教えてくれた女性で、その著作にどれだけ勇気をもらったか分かりません。女性同士で何度も何度も勉強会をいたしました。講演会にも何度か行き、本人と親交のある友達もたくさんいます。

上野さんが名古屋にいらした時、ちょっとしたパーティーがあり、頼まれて夫と長男が料理を作ったこともあります。色々な事象を、いちど女性の目を通して検証し直して見る、と言う彼女の姿勢から影響を受けて、私の映画評は『女の視点で見る』という視点で書くようにしています。

ワーキングウーマンの活動も、上野さんの影響は受けていると思います。」 

(続き)
日本語添削 高野史枝

中国語バージョン 受到上野千鶴子影响的日本女性


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