朝の公園、シニア達、ペットの犬、警察
Vol 53 公園 高齢者 警察
その一
毎朝、自宅近くの公園に行くと、朝6時半からラジオ体操をしているシニア達のグループを見かけます。
体操が終わると、彼らは数人が連れてきた犬に餌をやり始め、その賢さと行儀の良さを褒め称えます......そして少しおしゃべりをした後、それぞれゆっくりと家路につきます。
彼らが連れてくる犬の多くは、もう歩けなくなり、子供用のベビーカーで散歩させなければならない『シニア犬』です。
通常、私が公園に入ると、すでにラジオ体操が始まっています。公園を2周すると、犬の周りに集まった高齢者たちは散り散り、ラジオ体操場が私の太極拳の広場になります。
ある日、いつもより早く公園へ行きました。 私が太極拳を始めた頃、ラジオ体操の時間がやってきました。 私は広場の隅に行き、ラジオ体操の音楽に合わせて「野馬分鬃」「雲手」「双峰貫耳」....... 太極拳の動作を次から次へ。
その日、ラジオ体操が終わってずいぶん経ったのに、シニアのかたまりはまだ解散しようとしない様子。
私の携帯電話が入っているバッグが広場の横にある看板にかけていました。そのすぐそばに集まっている彼らがいなくなってからバッグを取って帰ろうと思いました。
しかし、彼らはその辺に留まって離れようとしなかったので、仕方がなく、私は裏に回って、そっとバッグを取りにしました。
バッグの紐に手をかざしたところ、年配の男性に見つめられました。
「よかった!よかった!」 他のみんなも私を見て、ほっとした表情で喜んでいました。
私は少し混乱していました。
彼らは歩いていく年配の女性に向かって叫んだ:
「バッグの持ち主が来たよ!大丈夫だ!」
ラジオ体操に来ていた仲間の誰かがバッグを置き忘れたと思っていたようです。 みんなで見つけたから、一緒に心配し、それをグループで守っていたのです。
その後、その看板にバッグをぶら下げて運動しているお年寄りもいることに気づきました。
実はその人たちとは顔見知りで、すれ違いざまに挨拶を交わしたほどでした。太極拳とラジオ体操がぶつかったのも、そのバッグを公園に持ってきたのもその日が初めてだったので、すぐそばにいたにもかかわらず、私のバッグだとは思われなかったのです。
その二
この件の少し前の日のことです。
公園で体を動かしていた時、運動器具に携帯電話が置いてあり、カバーには個人ナンバーカードが挟んでいました。
周りを見渡しても人影はなく、きっとここで運動した人が忘れたものでしょう。30分ほどそこで運動しましたが、持ち主は現れませんでした。
帰宅途中、自宅から反対方向に数百メートル離れた交番に立ち寄りました。電気はついていたものの、部屋には誰もいませんでした。
入り口には、「用事があれば、机の上にある電話を取って話してください」という張り紙がありました。 電話の向こうはすぐに出た警察に要件を説明しました。
相手は 「〇〇区警察署に携帯電話を持ってきてもらえませんか?」と言いました。
区警察署まで地下鉄も直通バスもなく、徒歩で1時間以上かかるところにあります!
朝、運動するために出てくるんだけで、移動手段も、時間もありません。
私は『今は時間がない』と言いました。
「無人の部屋に放置された携帯電話が盗まれる可能性があるので」と警察から何度も「ご協力してくれませんか」と頼まれました。
私はかつてインターネットで見た中国のジョーク映像を思い出しました。
笑い話でしたが、現実の生活は本当にこのようなことに遭遇したのです!しかも、日本の警察です!
「謝礼がいりますか」と電話の中で聞かれました。
「いらない!早く帰りたい」と答えました!
交番の部屋には監視カメラが設置されているはずです。
「携帯はカウンターの奥に置いておくから、外から入ってきた人には見つからないよ」と電話の向こうに言いました。
善行をしているつもりでしたが、無責任な人間に思われたかもしれません。
携帯電話を見つけたのが例のシニアたちだとしたら、彼らは公園に待ちつづけたのでしょうか? それとも個人ナンバーカードに書いてある住所に届けていくのでしょうか?または、交番で警察の指示通りにするのでしょうか?
正解はどれでしょうか。
本文の中国語バージョン