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束草の朝、親切なタクシー運転手と痛風と薬局の話

6日目番外編 韓国バイク紀行 束草の薬局とタクシー運転手

旅に出て親切を受けるとありがたみが深くなる。ありがたくて時々泣く。ちょっと涙腺が弱すぎると思う。

痛風の痛みはますますひどい状態。
今日は光復節(カンボクチョル)の祝日なのでnaver地図で営業している薬局を探してバイクで出る。
通風で靴を履くのも一苦労なのだが、そうしてたどり着いた市場の入口にある薬局だが開いているようだけど鍵が閉まっている。5分ほど待ってるあいだにノックをしても反応なし。足の痛みはピークを越えている。
再度地図でチェックすると通りの向かいの薬局が開いているという。横断歩道を足を引きずりながらわたってたどり着くも3,4日休みますの貼り紙。絶望的になって足を引きずりながら目についたドラッグストアのオリーブヤングに向かおうとしていたら通りの反対側に停まっていたタクシーの運転手が大声を出している。しばらくして私に向かって話していることがわかった。マアマアの人通りなんだけど。
「薬局をさがしているのか、この道を500mいった薬局なら今開いているぞ。バイクならすぐだ」というようなことを言っていた。

足を引きずりながら歩いている私をずっと見ていてくれたのか。

通りを渡ってバイクに戻るとおじさんが近寄ってきてもう少し丁寧に教えてくれた。感謝を述べつつも痛みで限界だ。いつもなら何気ない動作だがバイクに乗るための動きが超スローだ。そうしてるとおじさんが再び大きな声で言った。
「今薬師/薬士が戻った。薬局が開いたからバイクで動かなくてもいいんだぞ」と言う。あらためて感謝の言葉を述べるも、涙腺は崩壊しかけている。これ以上口を開くと嗚咽しか出なくなると思う。

海外から来て困っている人の様子を見て私はこんなことができるだろうかと思うと、そのタクシー運転手の行為に心からありがたく思った。

薬局でも親切だ。とりあえずそこで水をもらいすぐに服用してしばらく椅子に座って休んでいる。
こうやって書いている今も目はうるみ続けているし、くちびるを噛みしめて嗚咽をこらえている。

ありがとう。本当にありがとう。

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