ハワイ珈琲商会
コーヒーは毎日飲んでいる。
コーヒーにうるさいわけではなく、むしろ知らないほうだ。
ブルーマウンテンとかキリマンジャロぐらいの名前は知っているが、その特徴を語れるほどではなかった。まあ今もだけど。
3年弱の居候した川崎の親の家から仕事で大阪に移った時、親が使わずにしまい込んであるうちの一つ、古いコーヒーメーカーを持ってきた。豆でも粉でもいけるやつでもう生産終了したパナソニック製のだ。
豆を機械が挽いて全部自動でコーヒーができるんだから豆を買おうと思いたつ。よくわからないのでとりあえず業務スーパーの豆を買って機械の操作や手入れを覚えながらあちこちの焙煎をしているところの珈琲豆を買ってみた。
店の名前も知らないのでグーグルマップで検索して自転車で買いに行くというパターンだ。四天王寺の老舗、阿倍野筋の地元の老舗などいくつか回る。おいしいと思うのだけれど豆によって味が違うし、焙煎の仕方も特徴があるのだろう。自分でもよくわからないままイオンやカルディも含めて数軒回ってみた。
しかし、これを毎日飲もうとすればそこそこの出費になるということもわかってきた。至高のあるいは特別な時の一杯を求めているわけではなく毎日カジュアルにコーヒーの香りと味を楽しめればよい。
コーヒーを飲む習慣を取り入れるのはやめようかと思いつつ、グーグルマップには出てくるが敢えて避けていた一軒を見てから考えることにした。家から自転車で10分の距離だ。避けていた理由は一つで、一切の口コミが書かれていなかったからだ。かえって珍しい。あるいは廃業しているかもしれない、などと考えても仕方がないので住之江にある焙煎所に向かった。名前もハワイ珈琲商会。3年半前の2021年の10月。
※今は口コミが書かれていますが第1号は私です。
あまり期待せずに行ったのだけれど、店ののぼりを見てまず安心したし、店内外の雰囲気も気に入った。凝った感じはまったくなく、食品問屋のような雰囲気を漂わせている。値段も私の感覚でかなり安い。お店は年配の男性が一人でやっている。腰の低い問屋のおじさんといった雰囲気だ。
売り物の珈琲豆などが置いてあるスペースは広くはないけれど結構な種類のものが置いてある。
その奥は広いスペースがあるようだけれど豆の樽と焙煎の機械で占められている。
お聞きすると喫茶店などに豆を卸しているようなことをおっしゃっていた。
私は何もわからないし、豆の特徴などわからないのでとりあえずブルマンブレンドを500g買った。値段は100g280円。今まで焙煎所を回ってきたのでかなり安いことは分かった。
それから毎日機械に30gずつ入れて20日ほど飲んだ。
私のイメージしていたカジュアルにコーヒーを毎日飲むのに味も値段もぴったりだった。
珈琲豆が切れたころ再訪する。その日のサービスのコロンビア(180円/100g)とブルマンブレンドを500gずつ計1kg購入した。ただでさえ安いのに1kg買うと10パーセント引きだ。
※正確に言うと「その日のサービス品」は割引対象外なので、ブルマンブレンドのみ割引された。
もう完全にハワイ珈琲商会は私の生活に欠かせないインフラとなった。だいたい月1回店に行って500gずつ2種類を計1kg購入する。おじさんに豆の特徴を聞いて、慣れた味と新しくチャレンジするものを買う。
そのうち自分の好みもわかってくる。
スマトラマンデリンだ。濃く焙煎されてあり、パンチのある味だ。これにホットミルクを入れてカフェオレにする。飲みやすく深みある味になる。
3回購入するうち2回はスマトラマンデリンを500g飲む。半月はスマトラマンデリンを楽しむというわけだ。
もっと高い単価の豆も売ってはいるが、まあ私はカジュアルに楽しもう。
