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人生

ぱんと手をたたく間に消えるはずのあなたの生に存在があったなら、図書館の匂いを全身の肌にまとった時間のくゆりをたしかに記録している

その生になぜ意味があったのかは、出逢った顔の数珠ではなく、今に向き合う幾つかの顔に余すことなく集約される

二十歳のころにはわからなかった世界の文と二十五のころには読めなかった書籍の文が、三十五になるころには球と小箱を自由に操り、四十になるころにはすでに必要ではなくなって、もし五十まで生きれば創造の語りの途上

七十まで生きた人は、終わりがあったときに終わりのあった者達に嫉妬をしながら、終わらぬ光を砂地に刻み転げる

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