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第3回世界将棋AI電竜戦 あっさり自戦記

12/3,4に第3回世界将棋AI電竜戦が開催されました。
私のHoneyWaffleは、初日の予選で5勝5敗となり34チーム中17位、2日目の本戦ではB級リーグで9勝8敗となり18チーム中9位という結果になりました。

これは自戦記なので、各種表彰者はこちらをご覧ください。

予選

5勝4敗で迎えた最終10回戦、対戦相手は、今回唯一人間とAIのタッグで出場しているあらきっぺ氏。お互い、勝てば6勝4敗で本戦のA級リーグに進出できる将棋です。ということでこの対局は公式YouTubeチャンネルにて遠山六段に解説していただきましたのでリンクを貼っておきます。

予選の中では一番おもしろい将棋で、応援しながら見ていましたが、あらきっぺ氏の妙手により反省することになり、負けました。

本戦B級リーグ

全18チームの総当たりリーグで、立ち上がり5戦は5連勝と快調なようですが、変則的な序盤に対応できずに振り飛車ではなく居飛車での3勝を含んでいます。早めに飛車を振らずに駆け引きをしていると、定跡から外れてしまい雁木を組みたがります。

総当たりリーグですが対戦順は順位が近いもの同士がぶつかるシステムになっていて(実は逆だったようです)、5連勝の後の1勝2敗を挟んで5連敗を喫してしまいます。同格のハードウェアで近いレベルのソフトとは、振り飛車にすると負けやすいのがHoneyWaffleの現状です。(qhapaqさんの「Just Stop 26歩」のように強ければ、後手番でも今大会優勝の水匠に勝ったりできるのですが。)

本戦での個人的なベストは15回戦の「せんとくん一号」戦かと思います。今回、HoneyWaffleはハードかソフトかのどちらかで大きなアドバンテージがない限りほとんど勝てなかった中、順位が上のチームに一矢報いることができました。5連敗の後に振り飛車で勝てた対局でもありますし。

そして冒頭にも結果は書きましたが、このようになりました。

今大会のHoneyWaffleの構成

評価関数(モデル)

本当はdlshogiで0から学習したオリジナルの評価関数を使いたかったのですが、うまく学習させることができず。dlshogiの公開されているモデル(2020年のオンライン大会版)をベースに、振り飛車の棋譜だけを追加で学習させました。学習させるノウハウが全然ないままやっていましたが、学習率を高くすると振り飛車どころか途中から暴走した感じの棋風になってしまうことがわかり、ほんの申しわけ程度に学習させるにとどまりました。

探索部

やねうら王形式の定跡ファイル(ずっと手動で作ってきた秘伝のタレみたいなファイル)を使いたいので、DL系のモデルに対応した版のやねうら王であるふかうら王を使いました。ふかうら王を最新にするとドライバ類のエラーとなるため、バージョンは6.50と古めです。

定跡

定跡はHoneyWaffleの魂というか、上述のとおり私が手動で作ってきたファイルを使用しました。ただし例年は最長80手目まで定跡を使用するのですが、今回はDL系の指し回しを見たい、ということで振り飛車の最序盤の12手目までしか使わない設定にしました。戦型としては後手のゴキゲン中飛車以外の振り飛車を一通りやるようばらけさせる意図があります。(そのせいで、形を決めずにいると雁木になってしまうことがある。)

ハード

このPCです。暖房としてもなかなかで、GPUを回すと室温を局地的に3℃くらい上げる程度の性能があります。

レーティング

ちゃんとした計測はできていませんが、ノーマルのdlshogi(2020年オンライン大会版・定跡なし)と上記HoneyWaffleで対戦するとよくて2勝8敗くらいでした。同じ将棋になりやすいというのがあるのでもう少し勝てるとは思うのですが。

スペシャルサンクス

今大会にも「十六式いろは煌」で出場された、すえよしさんの将スタです。

dlshogiの山岡さんの書籍を元に、自分だけのオリジナルの将棋ソフトが作れるというツールです。私はそのツールを参考に、dlshogiの使い方を学びました。これがなかったら、dlshogiを触れずにフェードアウトしていたのではないかと思います。なので非常に助かりました。直接、HoneyWaffleの構成には入っていませんが、とてもお世話になりました。

最後に

ということでHoneyWaffle自体は中位に沈んでしまった、という結果でしたが個人的な目標は達成できています。というのもそもそもこの第3回の電竜戦に参加したのは、このハードウェア統一戦の参加資格を得るためです。

上記のとおりギリギリですべりこんでいます。ハードウェア統一戦ということで、上位チームがちらほら使っていた高価なクラウド構成とかはできないので、HoneyWaffleとしては相対的に有利になるので少しは上位進出が狙えるのではないかと期待しています。


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