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2024年8月にクリアしたゲーム

 8月にクリアしたゲームたちです。14本。


バベル号ガイドブック

プレイ時間:7.5時間
 バベル号に乗り込んだ乗客たちを望ましい結末に連れて行くため、神視点でバタフライエフェクトを起こしていくADV。
 ……という説明でいいのかな。「なぜ、なんのために」色んな人の運命に干渉しているのかっていう理由付けが最後まで為されなかったのでずっと不思議な気持ちで遊んでた。良いEDではあったんだけど。
 小さな改変で未来を大きく変えていくことを繰り返していく。改変すべきときにはミッション形式で何をすればいいのか提示されるので進めやすい。
 バベル号にいるたくさんの乗客たちそれぞれに個性があって、いろんな人の事情を想像するのが楽しかった。マンディ好きだよ。ブレイスさんは不憫すぎたな。
 翻訳はちょっとぎこちないけど意味はわかるレベル。パズルの難度は低め。ただ一部ミッションがけっこうわかりづらかったかも。


HER TREES : THE PUZZLE HOUSE

プレイ時間:40分
 ひらめき勝負な脱出ゲーム。
 場面にある物を動かして見えてきた英字でパスワードを解くのを繰り返すシステム。モノクロでおしゃれな画面の中、簡単な問題を次々解いていけて楽しかった。クリア後のスタッフ紹介までおしゃれで好き。さくさくっと気分よくなりたいときにおすすめ。


ミスター・クーのいろいろ

プレイ時間:95分
 カートゥーンな世界を冒険する言葉のないポイント&クリックADV。
 びっくりしたので先に書いておくと、どうもこの一作では完結していなかったらしい。コミカルすぎてここで終わっても「そういうものか」と受け入れられるようなEDだったように思うけれど、完結していないことが気になる方はご注意。
 PVを見てわかる通り、キャラクターがとにかくよく動く。ときおり線が荒いこともあるけれど、アニメーションのぬるぬる感は最初から最後までずっと続いていた。すごい。カートゥーン調のアニメーションを堪能したい方は満足出来ると思う。
 不思議な世界観で、解法も不思議なことが多いので謎解きとしてはちょっと理不尽かも。ヒントブックが落ちているのでためらいなく使わせてもらった。


Night Loops

プレイ時間:2.8時間
 シーサイドホテルで夜を繰り返しながら、真実の道を探していく精神的ホラーな謎解きADV。
 ジャンプスケアはないと言えそうなぐらい控えめだし、チェイスなどもないので、そういうホラーが苦手でも遊べると思う。ぱっと見怖かった人たちも会話してみたらそうでもなかったし、落ち着いて世界観に浸れてよかった。
 謎解き自体の難度は低め。一部マップがループする作りになっているので、そこで迷子になるとちょっと困るかも。
 ストーリーは断片的ながら、絵描きの心に関するあれこれを描いているんだと感じ取れる作りだった。個人的にはもうちょっと語ってほしかった。短編に対してもじっくり考察出来る人ならもっと色々読み取れそうな気もする。
 細部はぼんやりしながらも、明るい気持ちになれるエンディングでよかった。


アパシー荒井昭二 ~牧場奇譚~

プレイ時間:30分
 高校一年生の夏、友人がやたら怯えていた青森の牧場へ行ってひと夏を過ごすビジュアルノベル。無料。
 ホラーなADVをいろいろ出しているアパシーシリーズの『学校であった怖い話』からお話を一つ取り出した形……なのかな? シリーズに触れたことがないし多すぎてよくわからなかったので、体験版を遊ぶような気持ちで触らせてもらった。
 シリーズを知らなくてもスッと入れるお話だった。陸の孤島みたいな牧場で、荒くれ者のおじさんたちにびびらされながら、世話役になった線の細いミステリアスなお兄さんと過ごす日々。絵柄が耽美すぎてドキドキしたけど耽美な展開はなかった。
 まっとうに生きられない人々との日々を、薄暗い好奇心の尽きない高校生目線で描いたお話。エンディングは一種類。何かが解決したわけじゃないけど、まぶしく晴れた日のような終わり方で心地良かった。


ファミレスを享受せよ

プレイ時間:2時間
 永遠のファミレスに迷い込んで、住人たちと関わりながら脱出を目指すADV。
 とっても良かった……。
 静謐な空気の中、すでに長い時間を過ごして心穏やかになっている先客たちと他愛もない会話をするのがとても心地良かった。ネタバレを避けるためにあまり多く言えないんだけど、世界設定がとても優しくて、あのファミレスの作られた心を思うだけで胸がいっぱいになる。トゥルーエンドもすっと心がほどけるような素敵な終わり方だった。
 エンド後に見られるキャラや世界観の解説まで愛おしすぎた。大好き。


Escape the Backrooms(早期アクセス)

プレイ時間:11時間
 The Backroomsを探索して出口を目指す、4人までのマルチプレイに対応したホラーゲーム。ステージクリア式。
 わたしはフレンドと4人でプレイした。敵と戦う訳じゃないのにマルチプレイの意味あるのかな~なんて思ってたけど、広いマップを手分けして探索できるし、友達が怪物に襲われてる隙に難所を抜けてゴールするなども出来るので、ソロとは違うプレイングになっていたと思う。あと何より怖さが軽減される。すばらしい。ちなみにわたしは怪物に襲われる側の役目を果たさせていただいた。オトリが必要じゃない場面でも余裕で死んでた。ごめんなさい。みんなゴールまで行ってくれてありがとう……。
 次のステージに行くための謎解きは難しいというよりわかりづらかったかな。The Backroomsなので迷子になりやすいという前提がまずあって、その上に怪物も出てくる中で色んな場所を確認しなきゃいけないのが大変だった。
 あと早期アクセスだから仕方ないけれどバグが多く、解法が合ってるのに進めない場面がそこそこあった。進めなすぎたときは攻略を見るようにしていたからバグに気づけたけど、攻略見ない派だったら一生とらわれていた可能性がある。マルチでやるときは攻略を見るかどうか意思確認しておいたほうが良いかも。


オグと秘密の森

プレイ時間:16時間
 冒険に憧れていたちびオグちゃんが、異世界を救うために召喚されて大冒険するパズル多めのアクションADV。
 ストアページを見ればわかる通り、ゆるかわキャラクターたちで溢れていて世界を走り回るのがとっても楽しかった。翻訳はそこそこぎこちなかったけど意味はわかるので大丈夫。
 基本は世界を探索しながら仕掛けを解いていくアクションADVなんだけど、イベントで防衛戦やら弾幕避けやら障害物レースやら……とにかく色んな種類の遊びがこれでもかと詰め込まれていて、一体このゲームには何が無いんだ? と疑問を持ってしまうぐらいだった。色んな事が起こり続けてずっと楽しかった。
 ボスの攻撃ギミックもそれぞれ凝っていて、対処するのが難しくも楽しいところ。HPが1から減らなくなるという大胆なイージーモードがあるのでアクション苦手でも最後まで楽しめるよ。
 色々と収集要素もあるのでコレクション好きにもおすすめ。絵柄や雰囲気が好きな人は全員やっていいと思う。ダンスで体力回復するのめちゃめちゃかわいい。良いゲームだった。


幸運の大家様

プレイ時間:3.5時間(1階クリアまで)
 スロットを回して家賃を稼ぐ、ローグライクデッキ構築スロットゲーム。
 スロットを一度回す毎にスロットに組み込むシンボルを選べるので、いい感じのデッキを組んでコンボを起こしてお金を稼いでいく。
 危険……危険すぎるゲームだった。3.5時間一気にやってたんだけど全然そんな気がしない。10分ぐらいだったと思う。時間が溶けすぎた。わたしはこういうゲームをあまり上手にできないので1階クリアまででもたくさん失敗したんだけど、失敗したことが意識から消えるぐらい無心で連続プレイしてしまった。これがスロット……こわすぎる……。恐ろしいゲームだった。20階ぐらいまであるらしい。中断する程度の理性がある時に挑戦したい。


Desert Child

プレイ時間:2.2時間
 爆発する地球から火星に移住し、宇宙最大のホバーレースでの優勝を目指す青年のシューティングレースゲーム。
 地球で小さなレースに出て$500稼いで火星へのチケットを買い、火星に着いたら宇宙最大レース参加権のため$10,000を稼いでいくことになる。稼ぎ方は色々用意されてるんだけど、レース系の仕事だとわたしのプレイスキルが足りなくてあまり稼げなかったのでずっとピザ屋の配達バイトしてた。それで稼いだお金を銀行に預けて利子で儲けてた。八百長レースが出来たりなんだり、イカれた世界観っぽいのにド堅実に遊んでしまった。
 音楽がよかったな。ピザ屋バイトの曲はしばらく耳に残る。ペパロニ。


Frank and Drake

プレイ時間:2.5時間
 フランクの住むアパートの同室に、ドレイクが引っ越してきたところから始まるADV。
 昼しか活動できないフランクと夜しか活動できないドレイクは同じ部屋に住んでいながら会うことがなく、冷蔵庫に貼り付けた付箋で会話してお互いに親密さを覚えていく。メモのやりとりだけなのに3日目で親友になってたのちょっと笑っちゃった。
 フランクは記憶喪失だったり、ドレイクは幽霊が見えていたり、色々謎めいた二人が日々を過ごしていくのを眺めるゲーム。たまに謎解きがあるけど難度は低め。画面がおしゃれで良い。
 周回前提の作りになっていて、一周で得られる情報はかなり断片的。それでも意外なところで繋がっていた二人の関係など知れて面白かった。エンディングは多分6種類ぐらいあるのかな? 同じ謎解きを何度も繰り返すのはちょっとしんどいのでわたしは一周で満足しておくことにした。


ネコぱら- Catboys Paradise

プレイ時間:80分
 おじいさんから受け継いだ喫茶店をやっていくため、お店経営の知識がある人型ネコ達4匹と過ごす乙女ゲーム。無料。無料なのにリッチな絵柄にフルボイスですごい。どうなってるんだ。
 お相手の数だけ分岐がある。特に深刻な事件が起こるでもなくただ人型ネコたちに愛されつつ可愛がって終わるので頭を使わずに癒されたい時向け。というか頭を使うと喫茶店経営の知識も料理スキルも皆無で従業員4匹も雇って開業した主人公がヤバすぎて怖いので考えない方がいい。
 キャラ達みんな個性的でよかった。あと声優がちゃんとすごい。


旅人ソフィア

プレイ時間:2.6時間
 ヴェネツィアが舞台の探し物ゲーム。
 ヴェネツィアに憧れながらも行ったことのない開発者がGoogleマップなどで調べながら作り上げた、という制作エピソードがかわいすぎる一品。全10ステージ。
 1ステージだけ広大すぎるマップがあってちょっと大変だった。ヒントの翻訳に難ありで示されてる場所がわからない部分も時々あった。でも絵柄がかわいいので全部オッケー。一緒に旅してるのに毎回ソフィアと離れた場所にいる自由な犬とオウムとても好き。


The Wild at Heart

プレイ時間:9.2時間
 友達と計画的に家出をした少年が、セイレイに誘われて迷い込んだ森を救うべく冒険する、パズル要素多めのアクションADV。
 小さなセイレイを集めて投げて、物を壊してもらったり運んでもらったり敵を倒してもらったりする。……なんか聞き覚えがあるぞ。
 植物を生長させられるセイレイや、燃えた場所でも活動できるセイレイ、夜になると力が強くなるセイレイなどなど、手伝ってくれるセイレイに色々種類があるほか、操作できる人間も掃除機で吸い取る子と狭い場所に入れる子がいるので、場所毎にどの子が活躍できるか考えながら進めて行くのがほどよい頭の体操になってよかった。
 ピクミンをやったことがないのであちらとの比較は出来ないんだけど、かわいい絵柄の世界をたっぷり探索できて楽しかった。


おわりに

 今月の「もしもゲームの世界に入れるならどこがいい?」の答え候補になりそうゲームはファミレスを享受せよ。
 本編中の静謐ながら気安い空気感が素敵だったのはもちろん、クリア後の世界観解説を読んだら成り立ちが愛おしすぎて胸が一杯になっちゃった。ムーンパレスに行って彼らの実在を感じられたら、生きることをもうちょっと頑張れるようになりそう。できれば一週間ぐらいで帰りたいけど。

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