レコードを止めないで
今日、目にした全ても。
ちょうどアルバムのオープニングを
再生したみたいに
流れて消えて、題目の2番目に変わる。
瞬間は待ってはくれない。
噛まずに飲み込んだガムは
味気ないサプリメントだ。
噛むからこそ味わえる。
時間だって同じだ。
仮にどう考えてもつまらない時であっても。
聞き流したアルバムなんて味気ないから。
だからせめて、その空気の味付けぐらい
こっちで決めたいよ。
そんな苦さや塩っぱさだけが残るなんて
味気ないじゃないか。
今見てる無数の光。
マンションやビルの窓から零れ出る。
あの奥に僕らの知らない無数の物語がある。
そんな事を考えていると
あのコンクリートの中で
閉じこもっている
“見知らぬ誰か”を考えてしまう。
みんながそうではないのも
お節介なのも
わかってる。
それでも
いつか、一緒のアルバムを聴けるといいな。
1人じゃなくて
誰かと一緒に。
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