来週(桜開花後)から養蜂新シーズンスタート!

 南関東と言うか、暖かい地域で西洋ミツバチの養蜂をしていると悩まされることの一番は、「ミツバチヘギイタダニ」の害ではないでしょうか?全世界的に猛威をふるっているこのダニは元々日本ミツバチに寄生していたのですが、西洋ミツバチの対応能力の低さの為に被害は大変なことになっています。

 とは言っても寒い地域では、それほど問題にはなっていないらしいです。寒冷地では、越冬時に完全にミツバチの育児がストップするので、その時にダニ剤を入れれば、ダニは隠れていられないのでほぼ完全に駆除できる。なので、薬剤耐性のダニも発生しずらいのだとか。うらやましい。しかし、替わりに越冬を寒冷地で行うのは大変。11月から4月まで蜂がほとんど外で活動できないです。これが千葉なら元旦くらいまで枇杷が咲いているし、2月に入れば梅の花も咲く。実質活動できないのは、ひと月半くらいなのだから越冬は楽勝だ(それでも、毎年越冬に失敗するひとも結構いる)。千葉もほんとに最南端の方まで行けば元旦から菜の花が咲いているのだから、そこでは越冬と言う概念も不要かもしれない。

 暖かい地域でのヘギイタダニの猛威は、冬にミツバチの育児が完全にストップしないことによるらしい。ダニ剤はミツバチが接触した時にしか効果がなくシート状である為、巣穴の幼虫や蛹にダニが寄生してしまえば、ダニ剤に触れることもなく死ぬこともない。なので、完全に駆除できないので微妙に死に損なったダニが薬の効かない耐性ダニになってしまうのだそうだ。その上で生き残ったダニがどんどん増えて群をダメにしてしまう。

 さて、ダニ剤、ダニ剤と言っているが、使用してよいのは「アピバール(成分は、アミトラズ)」と「アピスタン(成分は、フルバリネート)」の二種類。どちらも採蜜期に使用してはいけないが、「アピバール」は加水分解されるのでほぼ分解されて残留しないが、アピスタンは蜜ロウに溶け込む為、巣に残留してしまう。

 使うとなったら、アピバールだけに止めておきたいが、前述の通り暖かい地域では冬にダニを殺しきれていない為、一年間何もせずにいてはミツバチが対処できないくらいにダニが増えてしまう。と言う訳で、とりあえずオフシーズンにアピバールは仕方ないけどその他の対策と併せて乗り切ることを最低ラインとして、アピバールも使用しなくてもよい方法がないものか試行錯誤しています。

 昨年は、食品添加物のメントールの結晶の匂いでなんとかならないかと思っていましたが(日本ミツバチのアカリンダニ対策によく使われています)、設置方法のミスで匂いのきつい場所でミツバチが育児を放棄、そして放置された幼虫がそのまま死に、蜂が激減。代わりにダニが激増と言う本末転倒な結果となってしまった。揮発しやすいメントールはこれはこれで、暑い時期の取り扱いが難しい。昨年は、加水分解しやすいアピバールを梅雨が終わるまで躊躇したのもダメな結果に輪をかけた。早々に夏の採蜜をあきらめていたら、激減まではいかなかった。ギリギリのラインを見極めようとしてやり過ぎた。

 それでもなんとかミツバチを新規に購入するよりは、良い状態で新シーズンを迎えられるまでに持ち直しましたが、ベストまではいかない状態で新シーズンが来週からスタートです。

 今年の目標は、一群平均で50キロ以上(ベストの状態なら100キロにしたいところ)の採蜜とヘギイタダニに対する安定的な対応の確立(もう一息)。女王蜂の系統飼育(もう一息)。ミツバチの展示とデモ、ミツバチとハチミツのイベントの実施(できない?と言われているもの)。

四年後には副業から本業に(五ヵ年計画)。

楽しみな新シーズンのスタートです。

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