人形劇について

(2002年6月 記)
操り人形と聞いたら何を思い浮かべますか?
NHKの人形劇?
文明堂のカステラ?
チューハイやANAのCMにもでてました。
今回は、そんな操り人形のお話です。

 子供の時に“糸”あやつり人形に憧れませんでした?
テレビの人形劇でよく見る棒で操る人形ではなく、糸であやつる人形です。
絵本や漫画の中に出てきたりして。まるで生きているかのようなその動き。
人形なのに動いたり、泣いたり、笑ったりするなんて…と、特別な憧れがありました。
 その一方で、自分の身の回りのおもちゃにもピエロやキャラクターなどの糸操り人形なんかあったりして、決まって、十字に組んだ板に糸が4,5本。そして、両手両足や頭に結ばれているその糸を、何度も何度も引っ張っぱったり、緩めたり、一生懸命動かそうとするのだけども、全く思い通りに動いてくれなくて。
いつの間にか、絵本も人形もすっかり忘れてしまいました。

 そしてその十数年後に、自宅に帰って、なんとなく見たのはある劇団のドキュメンタリー。
本公演に向けた練習を追ったものです。
そこにあったのですよ。
ずーっと、想像していた糸あやつりの人形が。
大体大きさは、40センチから50センチでしょうか。
糸は、16本から20本程度。
おもちゃのあやつり人形とは、較べようもありません。
そして、早速公演も見に行った訳ですが、
新鮮だったのは、
演目がシェークスピアや古典(落語や歌舞伎でするような)と大人向けのものをやっていること。
そして、その人形の繊細な動きです。
そんなものを見て、やはり募るのは、自分で動かしてみたいという想い。
 でも、あやつり人形の売っているお店って知ってますか?
お店ではなくても、しっかりとしたあやつり人形の作り方の書いてある本とか。
劇団では、人形は譲ってくれないし、かと言って入団もできないです。
探しましたよ。
 結局、ネットで見つけたお店はバイト先の近くの小さなお店。

嬉しかったー。日本でおそらく一店しかない劇人形のお店がすぐそばにあって。バイト先に近くて休憩時間にも遊びに行けますから。
そこでいろいろ動かしながらも、自分でも作ってみたいと思う今日この頃なのです。

(2019年1月19年 追記)
 17年たって未だに人形劇用の人形は作っていませんが、その後日本の伝統的な糸操り人形のタイプの人形を作ってもらう機会がありました。かなり、幸運な事だったのですが、劇団に所属するでもなく最近はPuppetHouseもご無沙汰です。
 変わったことと言えば、毎年8月に行われる長野県飯田市で行われる人形劇フェスティバルに毎年観客として人形劇の好きな友人と参加するようになったことです。

 人形劇に初めに興味を持った時は、結城座さんのような大人向けの劇団だった訳ですが、人形劇フェスタで見るのは主に子供向けの劇団の作品です。
 児童文学がその呼び名から子供だけを対象にしているように感じられるように、人形劇も子供だけを対象にしているように思われがちです。ですが、子供から楽しめるのであって、決して子供しか楽しめないものではありません。(でも、楽しんでみようと言う前向きな心は必要です。)

いくつか好きな劇団を紹介させて頂きます。
①ヨシダ人形劇
 「はむにょ」。美味しいものを食べた時のはむにょの表情がたまらなくかわいいです。眼が動いている訳ではありませんが、輝いて見えるのは自分だけでしょうか。ひたすら、ご飯を食べるだけなのに美味しいものを食べた時の驚き、喜び、嬉しさが伝わってくる素敵な演目です。
(Youtubeのリンクを貼っていますが、実際に見たほうが100倍楽しいので、こんなものかと思われないかは、心配になります。)

2作品目は、宴会芸?人形劇マジックショー。ヨシダさんのお茶目さが伝わってきます。

②よろず劇場とんがらし
 こちらもひとり芝居。
人形劇フェスティバルは、地元飯田のお祭り“りんごん”と同じ日に行われます。
路上で前回とんがらしさんが演じていたのは、抱腹絶倒の赤ずきん(とんがらしさんのオリジナルバージョンです。)
オオカミとオウムの人形との腹話術を駆使したテンポのよい掛け合いをしながら、赤ずきんを語り進めていきます。
開演前はとんがらしさんが好きな人が用意された席を埋めていましたが、開演されると人形劇に興味のない人もどんどん寄ってきて大きな人だかりになりました。(※残念ながら、動画はなし)

③人形劇団京芸
 歴史ある人形劇団でいろんな人がここから独立して活躍されています。
劇団のなかにいくつものユニットがあり、べつべつの演目を担当しています。
自分が一番好きだったのは、「おもしろげきじょう」の
『いぬうえくんとくまざわくん』
-※劇団の作品紹介より---------------------
「くまざわくん、ともだちは いっしょに くらしたほうが いい」
ひとりで暮らしていたくまざわくんの家に、ある日いぬうえくんがやってきました。
友達ってなんだろう?
なんでも分けあうってどういうことだろう?
人と人が付き合っていく難しさと面白さを暖かく愉快に描きます。
原作は最新の第六作まで16年にわたって書きつがれている人気シリーズ。
その第一作を、人形劇団京芸の定評あるドラマづくりの手腕を生かして料理した「おもしろ」作品です。
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京芸さんの演目は、とにかく本当に細かいところまでワクワクするような動作に溢れ、舞台の表現や転換のアイデアも素晴らしく、「すごいなぁ」と思いながら子供達とともに夢中になります。

(最後に…)
 人形劇は大人でも楽しめると言いましたが、実は自分は、子供たちが舞台に引き込まれ夢中になって楽しんでいるその中で見るのが好きなのだと白状します。
 驚いたり、ハラハラしたり、ホッとしたり、子供たちの眼を借りて一緒に舞台に引き込まれていく感覚が何よりも大好きなのです。
 通常、子供が対象の人形劇を見ようとすると子供ばかりなのでちょっと入りずらいですが、人形劇フェスティバルでは半分くらいは大学生以上なのではないかと思います。
 興味をもった方は是非一度参加してみてください。

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