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フェリーで叶える、母と子のゆったり旅

子供との旅は、特別な時間だけれど、準備と配慮が欠かせないものだ。
私はもともと旅行が大好きで、子供とたくさんの場所にでかけている。
しかし、シングルマザーになってから少し事情が変わった。一番困るのは、運転を交代してくれる人がいないことだ。

子連れ旅行は荷物も多くなりがちで、子供を連れて歩き回るのは大きな負担になる。抱っこを代わってくれる人もいないので、どうしても移動は車が中心になる。車の運転は苦ではないのだが、長時間におよぶとどうしても疲れてしまうため、近場を中心に選ぶようになっていた。

そんな時、SNSでフェリーという選択肢を見つけた。車ごと乗船できるフェリーなら、荷物の心配も減り、現地でレンタカーを借りる必要もない。さらに、船内で過ごしながら移動できるので、子供が退屈する心配もない。なにより、寝ている間に目的地に到着するなんて素晴らしいのでは?

こうして、大阪から北九州までのフェリー旅が始まった。まず、車をそのまま船に乗せるという非日常感が、私も子供もわくわくさせた。船内は7階建てで想像以上に綺麗。レストランでの食事の選択肢も多く、子供も大好物のハンバーグを食べて満足そうだった。大浴場もあり、子連れに優しい。そして部屋はまるでホテルのようで、船の中にいることを忘れるくらい快適だった。

明石海峡大橋の下をくぐる瞬間を、甲板で見上げるという特別な体験もあった。娘が嬉しそうに大きな橋を見上げる姿を見て、私も嬉しくなった。部屋に戻ってからは、島々を眺めながらビールを飲み、静かに過ごす時間を楽しんだ。
忙しい日常の中では味わえない、貴重なひととき。

朝、娘が起きる前にそっとベッドを抜け出し、甲板で朝日が昇る様子を見た。その瞬間は、とても静かで美しく、まるで時間が止まったようだった。

やがて船は目的地に到着し、車に乗ってそのまま旅行を続けられるという手軽さにも驚かされた。フェリーというただの移動手段が、こんなにも豊かな旅の思い出を作ってくれるとは思わなかった。

この経験から、私は子連れ旅行にはフェリー推している。静かでゆったりとした時間が、忘れられない思い出を作ってくれたから。

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