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迷いながらも本を読む

暇さえあれば本を読んでいる。読むこと自体が楽しくて、気づけば自然と本に手が伸びている。でも、ふとした瞬間に「これって本当に意味があるのだろうか」と考えてしまうことがある。仕事に追われ、限られた時間の中で、果たしてこの読書という行為が優先順位として正しいのか――そんな疑問が頭をよぎる。

そんな時、今日聞いたpodcastの「ゆる言語学ラジオ」の話が心に妙に響いた。詳細な内容はもうすでに思い出せないけれど、「読書の内容を忘れてしまった方がむしろ良い」という話が印象に残っている。忘れることで、読み手は自分なりに一般化し、その内容を広く捉えることができる、というのだ。初めて聞く意見だったが、なんだか腑に落ちた。

さらに、「1回目の読書は、読書メモを書くページを見つけるためのものだ」とも言っていた。とりあえず読んで、気になるページの端を折っておく。それが大事なのだと。面白いのは、酔っ払って読んだ時には、なぜそのページを折ったのか覚えていないことがある、と笑い話のように語られていた点だ。たった一行でも、心に残る言葉があればそれで良いのだという、そんな軽やかな読書のスタンスに、なんだか救われた気持ちになった。

私だって、知らず知らずのうちに、自分の世界を広げたいと願って本を手に取っているのだと思う。広げていきたい内容が描かれていそうな本を自然と選び、読み進めている。多忙な毎日の中で、少しでも違う世界を取り入れたい気持ちが、私を本へと導いている。

優先順位を考え始めれば、この行為が正しいかは分からない。でも、本が教えてくれるものは、どれだけ多忙な日々でも、心の隙間にそっと入り込んでくる。それが、きっと私にとって必要な時間なのだ。(と、信じたい。)

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