「死後事務」を各地の社会福祉協議会が請け負ってくれるように（自分用メモ）

今はお若い方、今は家族と円満な方、今は蓄えもあって生活不安のない方。
ありがたいことに我が家もその一つかな、と思っています。
が、こういう仕事（＝遺品整理）をしていると「それは所詮『今だけ』で、数年後・数十年後にどうなってるか分からない」とも思います。

自分が死んだあと、自分の持ち物や各種契約、預貯金や家の名義などどうなるんだろう…と不安に思うばかりで何から手をつけたらいいか分からない人、多いです。

こういったことを全部請け負ってくれる人を、たとえ有料でもいいから見付けておきたいと思うのですが、そもそもどうすれば？

というのが今回のテーマ。

■目立った病気はないものの、年齢を重ねて身体にも支障が出てきた。
■子供に恵まれず、兄弟とも死に別れ、自分の後始末をしてくれる人がいない。
■家族はいるものの、疎遠・絶縁している…

という方だけでなく、今は安泰だけどいずれどうなるかなんて誰にも分かりません。「死後事務」という用語だけでも頭に入れておくといいかも。

「死後事務」とは
死後事務委任契約は、死後に行わなければならない事務や整理を生前に第三者に依頼する契約です。 人が亡くなったときには、関係者への連絡や葬儀の主宰、役所に対する行政手続き、病院代や施設費用などの支払い、公共料金やカード会社などの各種契約の解約、自家用車の名義変更や廃車など、煩雑な事務手続きが多数あります。

で、こういう悩みって、どう考えても行政の方で請け負うべきだと思っていたんですが、やっぱりニーズが出てきたみたいですね。
いま全国各地の自治体でこの死後事務を引き受ける動きができているようです。

■自治体主導の「終活支援」「死後事務」が増えている

詳しくは「死後事務」「エンディングサポート」などの名称で検索してもらえるといいのですが、民間企業ではなく自治体（社会福祉協議会）で、身寄りのない一人暮らしのご高齢者に向けたサービスが始まっているようです（※いまのところ限定的な地域でのサービスのようです）
こちらは生活にゆとりのない人であることが条件である（ことが多い）ため、収入制限なども設けられているようですが、こういうサポートがあるかないかで安心感が違ってきますよね…！

事前に支払いが必要なケースと、月々の積み立て金が必要なケースなど、各自治体で対応は異なる様子。ぜひお住いの自治体の名前と「死後事務」で検索してみてはいかがでしょうか。

死後事務委任契約を社会福祉協議会と結べるのか | みかち司法書士事務所

■他人の孤独死は、無関係の自分にも影響がある

「高齢者の孤独死なんて他人事」というなかれ。
誰かが孤独死した場合、巡り巡って自分にも面倒が降りかかって来る可能性があります。
というのも、例えばマンションで誰かが孤独死したとすると、マンション管理者には相当な金銭的負担がかかります。
まず①その人の近親者を探す必要があります。次に、②その近親者との交渉が始まります。引き受けてもらえればいいですが、高齢者の場合、近親者との交渉ができない（近親者の方が先に亡くなっているケースも）ため、③マンション管理者の方でその部屋の明け渡しをせねばならなくなります。その費用を誰が負担するのかというと…同じマンションに住んでいる人の管理費でまかなうしかありません。その費用が多額になれば、急にマンション管理費を増額させられることだってあるわけです。ましてそのマンションは孤独死が出たとして資産価値が下がり、関係のない人にとっても影響してくるというわけ。

■行政が取り仕切ることで、長く安心が持てる

民間企業が行うサービスだと、いざ自分が亡くなった際に倒産していた、なんていうケースもあるんですが、行政が取り仕切ってくれるのは本当に安心…！
しかも、税金を投入するのかと思いきや、こちらのサービスは事前に本人からの依頼を受けて委託金を預かるシステムのようですね。
預託金方式と保険金方式とあるようです。

■サービスは今のところ限定的、でも十分安心感はある

例えば「北海道の海に散骨してほしい」などの要望は受け入れられないかもしれませんが、きちんと納骨などの手続きはしてくれる、など、最低限の安心感生えられるのがこのサービスのいいところではないでしょうか。
私も人生折り返し地点に来ましたので、こういうサービスはこれからも逐一チェックしていきたいと思います。

ご参考まで。