学童保育で給食や弁当を提供するべきか否か
朝、目に入ったニュース。
いま我が家の子供は学童を利用していませんが、利用していた数年、「夏休みの弁当の準備は大変だったなー!」と懐かしく思い返しました。
恐らくこの件に関しては、賛否両論、いろんな意見があるのではないかと思います。私自身も、記事を拝読しながら「どちらがいいのだろうか」と悩ましく思ってしまったくらい。
断っておきますと、「夏休みくらいママのお弁当を食べさせてあげたい♡それくらいしないと母親の愛情が伝わらないわ♡」なんて1ミリも思ってませんよ、悪しからず(苦笑)
「学童で給食を提供するのは難しい」と思う理由がまずあります。
そして、私なりに考えた解決策を、提示してみたいと思います。
■難しいと思う理由①:「学童保育」スタッフの数
我が子の小学校では、学童保育に預ける生徒数が約半数です。
それくらい共働き世帯が増えているというのが現状です。
学童はどこが運営しているかと言うと、市が委託したNPO団体です。
現場スタッフのほとんどは女性で、恐らくは家庭のある方々ばかりです。
そして学童の運営時間は、通常13時から19時。女性であればお分かりいただけると思いますが、夕飯の準備など一番忙しい時間帯です。
これが、夏休みは朝8時から19時となります。
このように、他の仕事と違って変則的な時間帯の労働のため、スタッフが集まらないという問題点があります。
おまけに夏休み、冬休みなどだけイレギュラーな体制にもなり、余計に人が集まりにくいと言えます。
きっちり働いてお金を稼ぎたい人にとっては通常期の仕事量が少ないですし、
片手間に働きたい人にとっては夏季・冬季の偏りが激しいわけです。
スタッフが確保できない状況で、「給食まで提供せよ」というのはかなり無謀なのではないかと思うわけです。
■難しいと思う理由②:「学童保育」運営母体について
学童の運営母体は市が委託したNPO団体です。
つまり、小学校とは別組織になるため、各生徒のアレルギー調査書などを共有することができません。
もちろん、学童に入所する際にアレルギー調査をすればいいだけのことですが、上記の通りスタッフの確保も難しい状態で、果たして十分な調査や個人情報の管理ができるでしょうか。
また、学童運営スタッフは便宜上「先生」と呼ばれていますが、学校の先生とは立場が違います。
学校の先生相手だと渋々従う子供も、学童の先生相手だと、完全に舐め腐った態度です。先生に逆らっても成績に響くわけでもないですし、怒られたって怖くない、というのは如実に感じました(特に一部の男児…)
学校では絶対にしないだろうに、学童では「机の上を走り回る」なんて日常茶飯事で見かけましたよ~。
そんなカオスな状態で、アレルギー食が必要な子供の給食を配膳できるのか…?
学童の先生方だけだと相当厳しいのではないかと拝察します。
かといって、「夏季限定で栄養士や配膳スタッフなどを雇えるか」と言われると、それは金銭的にさらに難しいことがお分かりいただけると思います。
■難しいと思う理由③:「学童保育」の特性
学童は、基本「親の監視ができない時間帯だけ預ける」というシステムです。
もちろんコアタイムはありますが、毎日通うことが前提の小学校と違って、親の仕事にあわせて子供も休んだり途中で帰ったりすることが多いわけです。
たとえば「私は水曜日は学童に行かなくてもいい日」「僕は火曜日はお稽古のため16時で帰る」など、個別対応が凄いんです。
毎朝、登所する生徒の数の把握だけでも大変なのに、ここに、全員一斉に提供する給食が混じってくると、現場の混乱はさらに大変なものになるのではないでしょうか。
これらを踏まえて、提案はふたつ。
■提言①:親が個別に弁当を発注し、学童に届けてもらえるシステムを作る
学童保育に給食の義務を負わせるのではなく、親から民間業者へ、直接注文でき、しかも時間になれば学童に届けるというシステムはどうだろうかと思いました。
メリットは、
(1)学童スタッフも母親も負担がないこと
(2)民間業者は夏季の売り上げ増となること
(3)個別のアレルギー食などに親が直接対応できること
(4)親の休暇などで子どもが休所する場合、親から直接キャンセルを入れることで対応が可能ということ
ゴミの問題をどうするかと考えましたが、可能ならば弁当箱を翌日引き取りに来るなどもできるかも…? と考えました。
浅はかな案ながら、どこかで検討してもらえるといいな。
■提言②:母親は見栄を張るのをやめよう
ソースが見当たらないのですが、「日本にいたときはズボラ嫁と言われていた私が、ハワイに移住しただけで神主婦呼ばわりされている」みたいな記事を読んだことがあります。
ハワイの弁当なんて、子供に菓子パン1個持たせるだけがデフォルト。
そんな場所に、(下手でも)おかずが2品くらい入っている手作り弁当を作っていったら、それだけで神呼ばわりされたのだそう。(手作りの弁当なんて、外国ではよほど料理の好きな人かプロでもない限り作らないみたいですね苦笑)
日本人の作るお弁当は、キャラ弁などもあるように、世界でも類を見ないほど手の込んだものだそうです。
それをやめて、コンビニで買った弁当とか、コンビニのサンドイッチとか、そういうものを持たせてみてはいかがでしょうか。
そして、それに対して周囲も「そんな弁当じゃだめでしょ、もっと栄養を考えて」とか「母親として愛情はないの?」とか言わないこと。
もちろん、時間に余裕のある日は、特別にお手製弁当で。
なにもかも周囲と一緒にしなくてもいいんだよ、という感覚の中で子供たちを育てるためにも、どうでしょうか!?
※ちなみにこの「コンビニの菓子パンをお弁当として持っていく」というのは、数年前に実際うちの学童で流行ったんだそうです( *´艸`)
■まとめ
冒頭の記事を読んでいると、学童スタッフさんの思考が旧時代的だとか、対応がなってないように書かれており、ちょっと残念に思いました。
人員募集の広告を見たことがあるんですが、あんなに大変なお仕事なのに給料はすごく安くて……( ;∀;) そんななか、毎日子供たちのために楽しいイベントを考えて下さったり、宿題を見て下さったり、危険なことをしないか見張ってくれている学童保育のスタッフさん達。本当に頭が下がります。
何でもかんでも学童や小学校に押し付けるのではなく、一緒になって改善策を考えていけたらいいのにな、と思います。
そんなわけで、こんな場所でひっそりと提案だけ。