創作したいノート2:「低レア攻略」

 ゲームもの、というかゲーム転生ものでちょくちょく見かけるのが「低レア攻略」ってジャンルです。私も書いたことある……あれは半分以上詐欺みたいなものなんで、ちょっとジャンルから外れてる気もしますが。これが実用的かどうかは、ゲームジャンルとレギュレーション、あと課金圧にもよると思います。

 いわゆるMMOとかソシャゲでの低レア攻略は、かなり難しいんじゃないかなー、ってのがそこそこにやる人の肌感覚ですね。最高レアを持ってて当然、みたいなバランスのゲームだと、低レアの出番はほとんどありません。逆にコンシューマゲー(ゲーム機で遊ぶ、ゲーム会社が出したゲーム)は低レアキャラでもけっこう戦えるイメージ。

 現在のソシャゲにおいて、最高レアのキャラはきわめて特殊なバフ・デバフを使うため、そういった特殊なステータス変化に対応できない低レアキャラだとまず勝てません。具体例として、私がやってる『エコカリプス』のキャラを出してみましょう。いちおう完凸時のデータを参照しています。


■SSR「モリ」とSR「雲川」

・通常攻撃
モリ→後衛単体に121%の物理ダメージ。追加で20%ダメージ
雲川→後衛単体に121%の物理ダメージ

・スキルダメージ
モリ→後衛単体に433%の物理ダメージ、60%の確率で調律ゲージ2回復。追加で40%ダメージ。80%の確率で300%の追撃を行い、調律ゲージ2回復
雲川→後衛単体に340%の物理ダメージ。ターゲットのHPが50%以下の場合、50%の追加ダメージ。

■SSR「シルシュ」とSR「バーバリアン」

・通常攻撃
シルシュ→ランダムで一体に152%の物理ダメージを与え、ダメージの60%を吸収。2回ダメージを受けるたび最大HPの15%を回復。3ターン持続、1ターンに2回まで発動。
バーバリアン→敵単体に121%の物理ダメージ。攻撃力の300%のバリア付与。

・スキルダメージ
シルシュ→自分と同じ配置にいる敵に248%の物理ダメージ、自身に最大HPの30%のバリア付与。敵全体にダメージ20%減少(最大HPの10%まで)を付与、減算分を回復、1ターンに3回まで発動。自身に50%の確率で最大HPの20%以下のダメージを無効化する効果を付与。受けたダメージが最大HPの20%以上の場合、1ターン無敵化。一回の戦闘で1回だけ発動。
バーバリアン→攻撃力がもっとも高い敵に294%の物理ダメージ。30%の確率で挑発付与。


 えー、比べられるのはこのくらいですね。その他だとそもそも土俵に立っていないというか、同じようなことができるキャラがいません。追撃が関の山で、スキル封印とか透明化、死者蘇生とか打倒時の追い討ちとかバリア無視はありませんでした。

 基本的に後発キャラの方が強くてどんどんインフレしていくので、実装早めなのに色褪せないキャラはほとんどいません。レビヤタンとかニールさん、秋葉とかくらいかな。ナズカ編成でそれ以外の選択肢がないネフティスは別ですが、ガチ編成でいまだに猛威を振るっているのは0.5ハニバのニールさんくらいでしょうか。1周年のヘルさんはまあ、能動的な蘇生が唯一無二だしね。

 上記のごっちゃごちゃ書きまくった情報はちょっと理解しにくいと思うので、かんたんに整理すると↓

・バーバリアン
 防御を固め、挑発で敵を引き付ける

・シルシュ
 バリア・無敵化で防御を固め、そこそこに攻撃しつつ吸収もできる

 って感じですかね。いちおうレア度Rのキャラもいるのですが、お話にならないので取り上げていません。いちおうパーティーを組んで対人戦なんかやってみると勝てたりもするのですが、スペックの暴力で押し切ってるだけなので、戦力数値が同じ程度で戦ったら負けるだろうなと思います。レベルと凸と装備が同じだと、戦力もスペックも段違いになるでしょうから、まあまず無理ですね……

 マイナーなゲームでやるのもアレなので、もうちょっと分かりやすく、みんな知ってそうなゲームでやってみましょうか。じゃあえっと、『ウマ娘』で。

 レア度Rのサポカだけで育成したときと、ふつうに頑張ったときの違いがどんな感じなのか、最初のレースに出た後と育成終了時の比較をしてみます。始めてから時間経ってなくてクソ雑魚なので、正直言ってまじめにやってもそんなに強くはなれないと思いますが……とりあえずRのサポカで育成できそうなのがマイル/中距離で先行のキャラしかいなかったので、エアグルーヴさん、検証にお付き合いお願いいたします。シナリオはステータスが盛りやすい大豊食祭で、とりあえず連続で済ませました。

 ふつうに頑張った方……まあその、始めて数か月なんで、お見せできるものではないんですが。実を言うとUG6はこれが初めてだったりします。ホッコータルマエ(水着)を狂ったように育成してUG5が限界だったんで、新記録はかなり嬉しい。

 で、Rのサポカだけ(フレに借りるやつは縛ってない)使った育成がこちら。

 上はステータス合計値5112、下が4392と、じつに720もの違いが出ています。現状これくらいが限界点ってあたりは除くにしても、スキルの数がけっこう違ったり初期ステータスがけっこう低かったりで、このシナリオじゃなかったらどっかで詰んでたと思います。みんな楽しそうだしステ伸ばし放題だし大豊食祭だいすき。L’Arcはまだグッドエンド見られてないんで、まだまだですね……。

 途中けっこう挟まれるウララちゃんの回復がマジでありがたい。夏合宿中料理バフでゴリ押す、みたいなことができない最序盤にトレーニングが停まらなくて、すごく助かりました。フレポの使い道これやで! って露骨に示すように置いてあるあたり、運営側の人も使ってるんじゃないでしょうか。逆に、それがないとけっこうな頻度で友情トレーニング発生してんのに休まなきゃならんタイミングがありました。そもそも友情トレの発生率自体ずいぶん下がってた気がします。回復イベとやる気アップイベあるサポカっていいよね……「ありがたすぎ泣いた」って言葉、ようやっと心で理解できたぜ。

 理事長以外ほぼ使われてなさそうなんでアレですが、Rサポカってステ盛りとスキルヒントばっかしでしたね。思ったより共通イベントが多かったので「これRでも起こるん?」って思いましたが、スキルポイントが露骨に少なくてね……メイクデビュー負けるのではと思って冷や冷やでした。


 コンシューマゲーの方は……私はゲームに本格的に触れ始めたのがかなり遅くて、ちゃんとやったことあるの『妖怪ウォッチ2』『3』くらいなんですよね。神ゲーでした。きっちり覚えてるところで『妖怪ウォッチ3』の低レアキャラは、ストーリークリアまで使えるキャラもいましたっけ。

 対戦の常連だとせいでん鬼が文字通り鬼強かったですし、狙いを逸らすカゲローとかクリティカル速攻パの要としてウィスパーの代わりになってたアンラッキィさん、Bランクだとこのあたりでしょうか。Cランクだと雨女とかこしパンダ、ウィスパーにたこうらみ、サニーレタスさんもけっこう強い。

 もっと低いところでも使い道ありまくりのキャラは多くて、かぜカモとかハナホ人、カラヤブリとか……寝コロンブスは分かりませんが、あしたガールは厳選するほど好きでしたね。にんぎょは入手タイミングが遅いけどふつうに強かったです。

 最低のEランクも、個性あふれるメンツが強すぎて笑うんだよね。口すべらしが化け物レベルで強いかと思えばハーモリーがちゃんと使えるし、てのひらがえしもそこそこ使えます。たいこもちはわりかし使えるし魂にしても強い。


 ランクが高いとスペックの基礎数値とわざのランクが高くなる(例:あられの術→氷結の術→吹雪の術など)のですが、弱点を突いたり専用装備があったりで、思ったより格差は覆しやすい印象です。えんえんあぜみちをEランクで攻略、とまではいきませんが、ラスダンくらいまではなんとかなりました。

 すべての妖怪がスキル・攻撃・ようじゅつ・とりつき・必殺技を設定されているので、それらの方向性がひとつに定まっていれば、スペックが低くても使いやすいキャラになります。ハーモリーはすべてが回復に向いていてようりょくがけっこう高いので、思ったより使えました。あしたガールはバフがちょっと強めだったり、後半で入手できるセバスチャンはフシギの陣でようじゅつアタッカーを強化できたりもします。

 一人だけ、Sランクなのに弱い妖怪を紹介しておくと、「椿姫」はクッソ弱かったです。イサマシ族(物理アタッカー)でヒーラーらしいようじゅつ持ちなのでリンクバフに使いたいなと思っていたのですが、ちからの方が高いうえに攻撃が弱く、スキルも「ようじゅつ使用時、自分の前に位置する(たてつなぎ状態の)キャラを回復する」というものでした。つまり、よこつなぎ状態での追撃には使えず、壁役の後ろに張り付いての回復にしか使えないうえに、その位置で固定しとかないとまともな回復量を確保できないってことですね。イサマシ族の意味ないやんけ!

 この『3』では9マスのバトルフィールドで戦い、たてつなぎ状態だと最前列の味方にだけ攻撃が当たるうえ防御アップ、よこつなぎ状態で一体が攻撃を行うと一割程度の威力で追撃を行うなど、それまでとはまったく違うシステムが採用されています。物理アタッカーはよこつなぎ超連撃パがクッソ強かったので、それを崩すヒーラーとかいらないんですよねー。ようりょくよりちからのが高い時点でね……とりつき・必殺技もいちおう回復系ですが、乙姫の下位互換。

 入手のためにバスターズの最難関ダンジョン最深部に潜ったというのに、それで手に入れたのがこれなので、ガッカリでしたねー……。純イサマシでまともなヒーラーがいるパーティーが組めないのがじつに悲しい。ソシャゲの『ぷにぷに』だと違うんでしょうか。そもそもヒーラー必要あるのかは分かりませんが。


 いろいろやってみた結果として、低レア攻略の要はたぶん「スペックの暴力」「交換要員としての活躍」「弱いからこその個性」があるんじゃないかな、というあたりで落ち着きそうです。

 まず「交換要員としての活躍」ですが、上でべた褒めしてるEランク妖怪の「ハーモリー」、実は『2』で最強のヒーラーだった「花咲か爺」の下位互換だったりします。スキルは両方「隣接する妖怪を継続回復」、ようじゅつもとりつきも回復系、さすがに蘇生はできないまでも必殺技で回復できるのも同じです。つまり、ほぼ同じ使い方ができるってことですね(暴論)。『3』で最強なのはたぶん福禄寿で、味方死亡時に自動蘇生、必殺技で蘇生、フシギの陣でようじゅつを強化できるあたり究極的に強いと思います。やばい。

 次に「弱いからこその個性」も、低ランクだからこそステータスと噛み合ってゲームバランスが崩れない、みたいなスキルがあります。低ランク妖怪しか回避率超アップのスキルを持ってないのは、すばやさが回避率と関係するので、高ランクが持ってたら大事件になるからだと推測できます。ちなみに必中スキル持ってるやつはへこ鬼神・犬神など全員最強クラスなので、回避系スキルはだいたいかわいそうなことになる。

 最後の「スペックの暴力」は、「必要経験値が少ない分、高レアより早くレベルが上がる」とかですかね。事実として、いくら特殊なバフ・デバフを使えたとしても、数値で負けてる相手に勝つことはできません。ありそうな倍率として「行動時、HP10%のバリアを獲得。HPの50%を超えるダメージを受けた場合、無敵化して攻撃を受け流す。1ターンに一回のみ発動」とかあったとします。でも、もとのHPが一万、相手パーティーの与えてくるダメージが平均で七千を超えてたら、行動する前に2回攻撃を受けたら死亡、行動したとしても1回でバリア全損・3回目でHP全損して倒れちゃいますね。


 なろう的拡大解釈としてこれらを膨らませていくと、いろいろと考えられますね。というか、普通にゲームやってると「これ低レアの方が勝ってるのでは?」って思う場面がそこそこあります。

 まず思いつくのは、低レアの方が凸数が圧倒的に多い状態ですね。凸(「とつ」、同じキャラを複数回入手して限界突破すること)がいくつになってからが本番、みたいな高レアキャラはわりと多くて、使い勝手がクッソ悪かったりします。逆に、低レアだと性能があんまり揺らがないので、長いこと使えたりもしますね。シルシュは無凸でも使えるクソデカ女子です。かわいいぞ。

 上に挙げた『妖怪ウォッチ』でよくあったのが、最強キャラを入手できないので下位互換で我慢するか……と思ったらクソ強くてそっちに愛着が湧く、って状態ですね。くさなぎが最強だけど入手困難すぎてまさむねでいいし、何だったら入手直後からクリア後までスタメンで変わらない感じ。天狗よりえんらえんらの方が安定感あったり、イケメン犬仲間にするよりズキュキュン太とかこんタンの方が楽だったり。まさむねはマジで強い。

 昔やってた『ゆゆゆい』でそこそこ起きていたのは、URキャラが必殺技を撃つのに必要なゲージが多すぎて、ゲージダウンさせてくる敵を相手するのがクッソめんどくさかった、って事態ですね。侵蝕(最高難易度の期間限定ボスイベ)ではふつうに使ってくる技だったので、中堅どころの私は挑戦諦めたりもしてましたっけ。

 ソシャゲだと、低レアキャラが高レアキャラにスペックで勝つことは難しいと思いますし、個性の出し方で勝つこともできません。逆に、コンシューマゲーで対人戦のあるゲームだと、それぞれのキャラの性能はある程度調整され、低レアでもそこそこに戦えます。どのキャラがどんだけ使えるか、という議論は頻繁に交わされますね。ちなみに『妖怪ウォッチ』で最強の低レアキャラは「ばか頭巾」です。つよすぎる(知能溶解)

 上に挙げた『ウマ娘』だと、☆1キャラでも超絶強いキャラがいます。サクラバクシンオー、サービス開始当初から現在まで、ほとんどの人が短距離チームに入れてるんじゃないかってくらいずっと強い。まあ史実だと超強い、というかマジで絶対王者ってくらい傑物らしいので、再現なんだと思います。あの表の読み方よくわからんかった……まあでもダンツフレームが「ここなら……?」を繰り返して潮時迎えたっぽいのはなんとなく理解しました。違ったらすみません。

 まあ、冷静に考えていくと「凸(重複)する」って考え自体まっったく意味不明・理解不能ですから、そもそも考えない方がいいですかね。同一存在が重複したら強くなるってどういう……あ、「過去と未来の鎌田がひとつに!?」か。いやあれマジでなんなの。いちおう屁理屈レベルなら思いつきますが、まあ普通は扱いきれないんじゃねーかな。

 上位互換がいない、あるいは使えない状態は物語としてはそこそこ面白いかもしれません。なろう作家は絶対やりたがらないと思いますが。人類の敵に成り下がったって展開ならギリありでしょうか……私はやったけどどのくらいウケたか不明です、申し訳ない。何にせよ最高レアが出る確率って少ないし低レアっていくらでも出るので、ソシャゲが舞台のゲームなら同一存在いるんじゃない? ってのは思いますね。こっちもやったけど(以下略)。


 ぐだぐだと述べてきましたが、ジャンルとシステムによるかな? ってのが結論になると思います。いちおうまとめてみると、

・ほかにスペックを盛る手段があり、最終ステータスで勝る
・下位互換のはずが、上位互換が存在しない状態である
・唯一無二の(弱いからこそ成り立つ)能力を持ち、誰も対抗馬になり得ない

 これが低レアキャラの強みとして成立し得る条件だと思います。ふたつめを無視したうえで、原作知識によると最強装備を最速で揃えるにはこうするんや! って行動したり、逆に上位互換が成長してなかったウサギと亀パターンもありかもしれぬ。

 やってて思うんですが、周りの人たちと共鳴するように成長する『ウマ娘』のシステムってストーリーとしてめちゃくちゃやりやすいですね。『パワプロ』の模倣と言われてるそうですが、そもそも野球に触れようとすらしない人には元ネタが分からん。ステータス項目も、こっちの方が知らない人にも理解しやすい感じですし……野球知らない人の方がマイノリティだとは思いますけども。


 現状で思うのは、「これ、こうしたら最強じゃね?」って元ネタが感じられたらいいな、ってあたりですね。あんたら普段なんのゲームしてんだよ、って思うことがものすごく多くて、何だったらゲーム機持ってないしスマホにもパズドラかモンスト、あと絵が気に入った謎の中華ゲー入ってるくらいの感覚です。お前が気に入ったそれを元ネタにしろって言ってんだよ! NIKKEっぽいなと思うものは増えましたが、それ以外は解像度が低くて「そのへんのゲーム」としか感じられません。似たようなゲームが多いのはそうですが、没個性をそのまま受け継いでどうすんねん、って話でもある。

 話が逸れたので、ズレたまま進んで、こういうお話に求めることもピックアップしてみましょうか。

・相対的な強さ/弱さが明確化されていること
・レア度とは何なのかの説明があること
・強さの盛り方に説得力があること

 しまった、ついカクヨムの自主企画みてーな書き方になった。これが最低限で、あと「レア度が上がらないこと」「及ばない欠点は残すこと」あたりが希望要項になるでしょうか。

 まず「相対的な強さ/弱さ」、これは最初に挙げたシルシュとバーバリアンの比較のように、ステータスや特殊能力の差異を分かりやすく描くことですね。低レアだとバリアも張れないしHP吸収で粘り強く生き残ることもできない、逆に高レアだと継続的な防御アップや挑発効果はない、みたいな感じです。敵として出てくるバーバリアン、相当苦戦する。

 次に「レア度」の説明があること、これは……例えば「魂は区画分けされた花園のようなものであり、リソースを取り込むことでより強く輝く。区画数を才能の大きさと捉え、この数を計測して魂の力を称える数字を与える」みたいな、まあ理屈はなくても機械的に計測できる数値基準があればいいんじゃないかなと思います。上で言った区画数と必要リソースを調節すれば「レア度高いのに弱い人」も作りやすいかも。

 強さの盛り方はまあその……思い入れのある雑魚をちょっとでも強化しようとした経験のある人じゃないと難しそうですね。少し長くなるぞ。

『妖怪ウォッチ3』で銅拍子がかわいいのにもう悲しいほど弱くて、いろいろ頑張ったり厳選したりしたけどダメだった思い出が蘇ってくる。仕様が『2』から変わったせいで必要なステが盛れないし、せっかくいい装備があるのに必要なステじゃないし、そもそもスキルがまったく意味のないものなので、クッソ弱いし育てる意味もありませんでした。なんか追加コンテンツの古典妖怪はどれもクソ弱かった気がします。八尾比丘尼とか麒麟がどんだけ強かったか……。

 強い装備を入手できれば、だいたい誰でも強くなります。ジョブとかキャラでの装備制限があるゲームもありますが、レア度がある=キャラクター数がものすごく多いゲームだと、そのあたりはかなりゆるくなっていますね。ソシャゲだとキャラ性能に噛み合った専用装備があることもあるので、ソシャゲとコンシューマゲーのどっちが設定作りやすいかはちょっとわからぬ。



 微妙にふわふわしているので、具体案を例示しときましょうか。

能力:魔法が相手の苦手属性に変わる能力
課題:魔法力が低いから役に立たない。特化型が強い
改善案:魔法力を上げる装備や、特化型の成長をするための自己改造

 先に『3』を話題に出したのでピンときた人もいるかもしれませんが、カラフルなガイコツの妖怪、Cランクの「レインボーン」そのまんまです。彼のスキル「七色の術」は、そのまんま「ようじゅつが相手の苦手属性に変わる能力」なんですが、レインボーンのステータスはばらけていて、すばやさが最も高く、ようりょく・ちからと続きます。

 後衛だから防御は弱くていいんですが、あんまし攻撃しない術師タイプなので、ちからは不要です。加えて、彼を含むメリケン妖怪を大幅強化できる「アイラブメリケンT」、ちからとようりょくを25ずつ強化するもので、両刀使いじゃないと使いこなすことができません。メリケンで両刀……?? ちょっと見当たりませんが。

『2』では性格を変えることで努力値のような上乗せ能力を付与でき、ようじゅつ特化型にするとようりょくがかなり強い装備ひとつ分くらい上がります……が、『3』では削除されました。なぁにを余計なことしくさっとんじゃゴルァ! というわけで、ステータスを盛るのがよけい難しくなり、厳選をするほかなくなりました。めんどい。

『3』で強かった術師タイプは、「全員が使う〇属性のクリティカル率アップ」みたいな、環境改変あるいは暴走ともとれるスキルの持ち主でした。これとクリティカル威力アップの装備を組み合わせるのがたぶん最強だったはず。エンドコンテンツでも最難関である「えんえんあぜみち」を踏破した際は、このスタイルでクリアしました。

 上に挙げた通り、レインボーンが強くなる方法はとてもシンプルで、ようじゅつに特化することです。Cランクだろうと、ダメージ底上げスキルを持つ特化型術師タイプはかなり使えるんですよね。実例として、Cランクのたこうらみ(HPが減るとようじゅつの威力アップ)は対戦でも使えるとしてそこそこ知名度があります。対戦環境で火弱点のやつって、オトナカイか犬神くらいしか……いや、あれ一撃で落とせたらかなりアツいな。

 逆に弱い理由もはっきりしていて、術師向きのスキルを持っているのに特化していなくて、術師を集中的に強化できる装備もないこと、これらが弱さにつながっています。特化型かつ装備が整えば強いということで、そうならなかった現実が「ギリ使える」扱いに繋がってるわけですね。


 結局のところ、「限界点をどこに置くか」「仲間を作るか」このふたつでどうとでもなり得るので、前提としてこっちを考えておくべきですね。仲間がいるなら主人公最強でなくてもいいし、レベル上限があるなら主人公最強は絶対に果たせません。絶対の壁は超えられないけど、目標や使命はその壁の中に収まっている、くらいでいいんじゃないかなと。

 主人公がたった一人で立ち向かわなくてはならないときは、レア度が上がるのもアリだと思います。ステータス差を覆すのに無理筋通すくらいなら、真っ当に覚醒するとか、多重バフするのもいいでしょうか。とりあえず「素の状態で自分が無双する」なら別ベクトルかジャンル詐欺にしかならないと思います。

 まだまだ考えを巡らせる余地があるようなので、思考は続けていかなければ……。

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