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【エナジージェル】マルトデキストリン【自作】

私はマラソンで自作のエナジージェルを使っています。
ソフトフラスクに入れて、スタート前とレース中に飲んでいます。

自作エナジージェル

今日は、エナジージェルの自作についてです。


自作エナジージェルとソフトフラスクのメリット

自作エナジージェルのメリット

好みの味や好みの粘度にできる
酸味が苦手な人は酸味をつけないこともできますし、好きなフレーバーや味をつけることができます。
また、水分の量で好みの粘度に調整できます。

好みの成分にできる
身体への吸収スピードなどを考え、糖分の種類を選び、必要であれば混合できます。
また、カフェインなどを入れることもできます。

安い
市販の40gくらいのエナジージェルは1つ300円くらいします。1レースで3個使うとすると900円です。
自作すると1/3〜1/5くらいの費用で作れます。

ソフトフラスコのメリット

こまめにちょっとずつ飲める
市販のジェルは封を切ったら飲みきらなければいけませんが、ソフトフラスクに入れておけば、飲みたい量だけ飲めます。

封を切らなくていいので片手ですぐ飲める
ポケットからソフトフラスクを出しで吸えば飲めます。
市販のジェルのように封を切る必要はありません。
また、市販のジェルのように封や飲み終わったジェルの袋などゴミが出ません。

エナジージェルの成分

市販のエナジージェルの主成分は、マルトデキストリン、フルクトース、ブドウ糖の3種です。
この中の1種類で、もしくは混合してジェルを作ります。

マルトデキストリンについて

1. 吸収経路と筋肉での使用

摂取後の消化
マルトデキストリンは、グルコースが結合した多糖類で、分子量が比較的大きいですが、消化が速い炭水化物です。
小腸で消化酵素(アミラーゼなど)によって分解され、単糖のグルコースに変わります。

小腸での吸収
分解されたグルコースは、小腸上皮細胞のSGLT1トランスポーターを介して吸収されます(ナトリウム共輸送型グルコース輸送体)。
血中に移行したグルコースは門脈を通じて肝臓に運ばれます。

血中への移行
グルコースの一部は肝臓でグリコーゲンとして貯蔵されます。
残りは血中に放出され、血糖値を維持します。

筋肉での利用
運動中、筋肉は血中のグルコースをGLUT4トランスポーターを通じて取り込みます。
GLUT4は運動やインスリンの刺激によって筋細胞膜に移動し、グルコース取り込みを促進します。

摂取から筋肉での使用されるまでの時間
マルトデキストリンは消化が早く、小腸で迅速にグルコースに分解され、血糖値に反映されます。摂取後15~30分で血中にグルコースが放出され、エネルギーとして筋肉で使用され始めます。

2. マルトデキストリンの特徴と利点

速やかなエネルギー供給:
マルトデキストリンは消化吸収が速いため、運動中や運動直後にエネルギーを迅速に供給できます。

胃腸への負担が少ない:
浸透圧が低く、大量摂取しても胃腸に負担をかけにくい。

フルクトース(果糖)について

1. 吸収経路と筋肉での使用

摂取後の消化
フルクトースは単糖類で、消化を必要とせず、小腸で直接吸収されます。ただし、グルコースとは異なり、SGLT1ではなくGLUT5トランスポーターによって吸収されます。

肝臓での代謝吸収されたフルクトースは門脈を通じて肝臓に運ばれ、主に肝臓で代謝されます。肝臓内でグリコーゲンに変換されるか、一部がグルコースや乳酸に変換されて血中に放出されます。

筋肉での利用
フルクトース単体では筋肉細胞に直接供給されませんが、肝臓で変換されたグルコースや乳酸が血中を通じて筋肉に到達します。その後、筋肉内でエネルギー供給やグリコーゲン補充に利用されます。

摂取から筋肉での使用されるまでの時間
フルクトースは肝臓で代謝され、グルコースに変換されるため、吸収速度は遅くなります。摂取後30分~1時間で血中にエネルギー源として利用可能になりますが、グルコースと比べると供給されるのが遅いです。

2. フルクトースの特徴と利点

持続的なエネルギー供給:
肝臓で代謝されるため、グルコースと組み合わせることで、エネルギー供給を持続的に行えます。

血糖値への影響が少ない:
血糖値を急激に上昇させないため、長時間運動で安定したエネルギー供給に適しています。

ブドウ糖(グルコース)について

1. 吸収経路と筋肉での使用

摂取後の消化
ブドウ糖は単糖類で、消化を必要とせず、小腸で直接吸収されます。吸収にはSGLT1トランスポーターが関与し、ナトリウムと共に小腸上皮細胞に取り込まれます。

血中への移行
吸収されたグルコースは血中に放出され、即座に血糖値を上昇させます。これにより、エネルギー供給が速やかに行われます。

筋肉での利用
運動中、筋肉は血中のグルコースをGLUT4トランスポーターを介して取り込みます。このトランスポーターは運動やインスリンの刺激によって筋細胞膜に移動し、グルコース取り込みを促進します。

摂取から筋肉での使用されるまでの時間
ブドウ糖は摂取後すぐに小腸で吸収され、血糖値が急激に上昇します。摂取後約5~10分以内に血中に放出され、エネルギーとして使用される準備が整います。

2. ブドウ糖の特徴と利点

即効性のエネルギー供給:
血糖値を速やかに上昇させ、短時間でエネルギーを供給します。

筋肉グリコーゲンの補充に最適:
運動中および運動後に効率的に筋肉のエネルギーを回復できます。

比較表

マルトデキストリン、フルクトース、ブドウ糖の特性は下表のとおりです。
いずれも粉末の状態100gで約380〜400kcalです。

各成分の単体摂取のメリットとデメリット

1. マルトデキストリン単体

メリット:
消化吸収が速く、エネルギー供給に即効性がある。
胃腸への負担が少なく、大量摂取が可能(1時間に60gまで)。
甘みが控えめで調整がしやすい。

デメリット:
吸収経路が1つ(SGLT1)のみのため、吸収効率が限られる。
血糖値の急激な上昇と低下が起こる可能性。

2. フルクトース(果糖)単体

メリット:
血糖値への影響が少なく、長時間のエネルギー供給に向く。
吸収経路(GLUT5)が異なるため、他の糖質と組み合わせると吸収効率が向上。

デメリット:
吸収が遅く、単体では即効性がない。
耐性の個人差があり、大量摂取で胃腸トラブルのリスクが高い。

3. ブドウ糖(グルコース)

メリット:
分解不要で即座に吸収されるため、非常に高速なエネルギー供給が可能。
短時間の運動やエネルギー不足を即座に補える。

デメリット:
血糖値の急激な上昇が起こりやすく、エネルギー供給の持続性が低い。
浸透圧が高めで、大量摂取時には胃腸への負担が増す可能性。

組み合わせた場合のメリットとデメリット

1. マルトデキストリン+フルクトース

メリット:
吸収経路(SGLT1とGLUT5)が異なるため、吸収効率が高まり1時間に最大90~120gの糖質補給が可能(配合比率は2:1)。
即効性と持続性のバランスが取れるため、長時間の運動に最適。
胃腸トラブルのリスクが低め。

デメリット:
配合比率(2:1)が適切でないと吸収効率が下がる。
フルクトースが多すぎると胃腸トラブルのリスク。

2. マルトデキストリン+ブドウ糖

メリット:
即効性がさらに高まり、短時間の高強度運動に向く。
胃腸への負担が少なく、シンプルな配合で調整が容易。

デメリット:
吸収経路が1つ(SGLT1)のみのため、吸収効率が最大60g/時間に制限される。
血糖値の急激な変動が起こりやすい。

3. フルクトース+ブドウ糖

メリット:
吸収経路を分けることで吸収効率が向上(最大90~120g/時間)。
ブドウ糖が即効性、フルクトースが持続性を補うバランスの良い組み合わせ。

デメリット:
フルクトースが多いと胃腸トラブルのリスク。
甘みが強くなり、味の調整が必要。

推奨される成分の組み合わせ

短時間の運動(~1時間):
ブドウ糖またはマルトデキストリン単体で十分。

長時間の持久運動(2時間以上):
マルトデキストリン+フルクトース(2:1)が理想的な組み合わせ。

即効性と持続性をバランス良く:
マルトデキストリン+ブドウ糖やフルクトース+ブドウ糖の組み合わせが適応できます。

トレーニング中にさまざまな配合を試し、自分に合った組み合わせを見つけるのがベストです!

カフェイン

市販のエナジージェルにはカフェインが含まれているものも多くあります。
カフェインは運動パフォーマンスの向上や集中力の維持に役立つ成分として広く利用されています。

カフェインのメリット

1. 持久力の向上:
カフェインは脂肪をエネルギー源として利用する割合を高め、グリコーゲンの消耗を抑えます。

2. 疲労感の軽減:
中枢神経を刺激して疲労感を和らげる効果があります。

3. 集中力と注意力の向上:
レース後半の集中力維持に有効です。

4. 痛みの軽減:
運動中の筋肉疲労や痛みを軽減する可能性があります。

カフェインの量

運動中のカフェイン摂取量は 体重1kgあたり1~3mg が適切とされています。
体重60kgの場合:60~180mg。

注意:
400mgを超えると副作用(心拍数の上昇、胃腸不調、不安感)が出る可能性があるため注意してください。

作り方

いずれの材料もドラックストア、スーパー、Amazonで購入することができます。
作り方は簡単です。

  1.  マルトデキストリン、フルクトース、ブドウ糖のいずれか、もしくは混合したものを100g用意します。カフェインを入れる時は粉末状にして加えます。

  2. 沸騰したお湯150mlを加え、よく混ぜて溶かします。

  3. お好きな添加物で味を調えます。

  4. ソフトフラスコに入れて味を調えます。

みなさんも自作のエナジージェルを作ってみてください。

下の有料部分では、私がよく作っているエナジージェルについて説明しています。
情報量が少ないので課金は推奨しません。

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