子どもを大切に育てるべきという価値観が少子化を促進する

少子化のプロセスを分かっていない人は、
「少子化の理由は、子どもへの愛情や理解が薄い人が増えたから。」と
現代人の心の冷たさを悪者にします。

心が冷たいというよりも、
「現代では子どもへ注がねばならない愛情や理解が増えたから。」
少子化の真の原因と考えています。

子どもの衣食住を十分に確保するのは当然です。
それら以外にも、考慮しなければならないものが沢山あります。
習い事、おもちゃ、レジャー・旅行、教養、子どもの人間関係・・・・。

親として、取り組むべき物事が多すぎるのです。
少子化が始まった30年前・40年前と比べても多いです。

そもそも、本来人間は子どもに対する愛情を持ち合わせていません。
愛情とは、経済成長に伴う豊かさが作り出した価値観です。
言い換えると、社会的に生み出された価値観なのです。

現在でも途上国において、子どもを持つ理由は、子どもが可愛いからではなく、「子どもが労働力」となるからです。
10歳くらいになったら、農業や家業の手伝いをさせます。
アフリカや南アジアの貧しい地域では、児童労働は当たり前です。
だから、子どもが沢山生まれるのです。

日本でも、高度経済成長期が始まる(1950年代中盤)頃までは、
同じような考えが一般的でした。
経済成長のおかげで、産業構造も農業・自営⇒工場・企業に勤務とシフトします。収入や物資も増えていきます。
工業化の時代を迎えると、母親が産む子どもの数は減り、
子ども1人1人へ愛情を注ぐ余裕が生まれます。

今さら、農業が中心の時代へ回帰せよ。とは言えません。
児童労働などさせられません。

1つ言えるのは、子どもへの愛情や理解が薄い(現代基準で)ことは
人間として異常ではありません。。
人類の長い歴史から遡ると正常な感情です。

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