大学受験が厳しくなっても、なぜ少子化改善につながらないのか?~中国の事例より~
昨日のMr.サンデーの特集です。
日本で中学受験をする中国人の子どもが増えています。
理由は、中国の受験競争が厳しいから、それほど厳しくない日本で子どもを育てたいから。
本題はここから。
移住した中国人曰く、
中国では、大学受験者が増える一方、入学定員が増えないため、大学進学率が3割程。高校進学率も5割程。
政府が労働者を確保するために、高校や大学の入学定員を制限している。とのこと。
大卒が増えすぎたあまり、就職難の若者が沢山いますからね。
政策による高校・大学教育の制限は、間違いではありません。
むしろ正しい方法ですし、合理的な方法でもあります。
国家存続のために、必要な政策を実行する力の強さは、流石は中国です。
習近平は3年前に塾禁止令を出しましたし。
中国政府は、少子化対策に熱心です。
少なくとも日本よりか、深刻な問題だと捉えています。
中国はここ5年で一気に少子化が進みました。
2022年には年間出生数が1.000万人切りました。
日本で例えると、出生数85万人レベルです。
塾禁止令が出てからも、減少に歯止めがかかりません。
日本と同じく、年々減る一方です。
私が不思議に思うのは
受験が厳しくなり、教育産業も規制されれば
少子化が改善されるのに、現状は全く改善されないことです。
持論としては、受験が厳しくなれば
良い意味で大学進学を諦めて、中卒・高卒でも良いと
考える層が増えるはずです。
大学進学率を3割に制限するなら、学力上位40%~60%の多くが
受験競争から降りてくれます。
この学力層の生徒だけでなく、
その親たちも大学へ行かせるインセンティブが小さくなるでしょう。
大学に進学するのは難しい。
中卒でも高卒でも珍しくない。
大学に無理していく必要もない。
子どもの教育にお金かける必要もない。
大学進学が狭き門なら、大学行けなくても仕方ない。
受験に必死になるのは、学力上位層だけです。
私なりに言うと「赤信号みんなで渡れば怖くない」理論が
受験競争において働くと考えています。
むしろ、広き門だからこそ、大学進学への負のインセンティブが
必要以上に働くのです。
大学進学率が3割⇒5割に上がったとして、
学力上位40%~60%の層は、大学進学に必死になり、
学力上位40%以上の層は、少しでもレベルが高い大学へ行くのに必死になります。
大学へ行かなければならないと考える人が増えて、
受験競争が「赤信号を1人で渡る羽目になってしまう」ための
ネガティブゲームと化すのです。
自分or自分の子どもが大学進学しない=悪い意味でのマイノリティに
属したくないのです。
以上が持論ですが、中国では受験競争が厳しくなる中、
私の考えに反して、出生数が減るという現象が起きています。
私の考え方がおかしいんでしょうかね。
緩い受験競争で落ちこぼれが殆ど生まれないよりも
厳しい競争で落ちこぼれが沢山生まれる方が良いと考えることが。