長時間労働を美徳とする業界の特徴〜マスコミ業界は仕事好きが多い〜
昨日のフジテレビ2回目会見は、10時間30分に渡りました。
時間無制限とはいえ、今までにない異常な会見でした。
深夜1時間ほど見ましたけど、気づいたことがあります。
会見で質問している記者が楽しそうなのです。みんなエネルギッシュです。
ポジティブなエネルギーが溢れています。
会見が始まって、6時間以上も経っているのに。
彼らの仕事へのエンゲージメントは高いでしょう。
好きで、楽しくて、使命感にあふれた気持ちで取り組んでいます。
だからこそ、マスコミ業界は長時間労働が常態化すると
考えさせられました。働いている本人も、
長時間労働=辛い・苦しいという思いが強くないのです。
マスコミに限らず、クリエイティブな仕事
何も無いところから何を生み出す業界や業種の人
(=子どもの将来の夢でピックアップされがちな仕事)は
長時間労働に肯定的なのです。
仕事に対してポジティブで、仕事中にドーパミンやアドレナリンが分泌されているのです。やりがいに溢れています。
製造・建設以外は、歴史が浅い業界が多いです。
マスコミ(テレビ・新聞・出版・広告)、メーカー、IT(大企業のみ)、
建設、小売(百貨店・アパレル)。
研究・開発職、技術職、新規営業、職人。
デザイナー、スポーツ・芸術関係、自営業。
一方、既存の仕組みやインフラを維持する業界や業種の人は
仕事へのエンゲージメントが低い人が多いです。
文系大卒がメインの業界・業種です。
金融(銀行・保険・証券)、公務員行政職、商社、電気ガス、運輸、小売(食品)
文系総合職、ルート営業、事務、管理部門。
大企業ですと、形だけ長時間労働対策に取り組んでいる会社が多いです。
業界や業種によって、エンゲージメントが変わるため、
長時間労働への捉え方も変わるのです。
話を戻して、フジテレビの会見では、会場に記者が438人も訪れました。
対して、フジ経営陣は5人です。平均年齢60代後半です。
10時間、休憩は1回のみで、ずーっと質疑応答でした。
経営陣が長時間も仕事している姿を見て、
大企業で出世する人は、体力・精神力・忍耐力があると
勘違いしてはいけません。
決して軍国主義・体育会系の美学と結び付けてはなりません。
彼らは、体力・精神力・忍耐力に優れているのではなく、
仕事に対してポジティブな心構えを持っているから、
長時間労働が平気なのです。
若い頃から仕事へのエンゲージメントが高いのです。
フジ80年代の「面白くなければ、テレビじゃない。」のスローガンに基づく、「面白くなければ、仕事じゃない。」そういう軽チャーのもとで、
仕事に取り組んできたのです。
仕事の原動力は、日枝氏に怒られるから、叱責されたから、命令されたから、ではないのです。
部下や同僚に、もっと仕事を頑張らせたいと考えている諸君は
仕事とは押し付けではないと自覚していただきたい。