邪智暴虐の王、シラクサを防衛する

前回の続き。

『走れメロス』の時代はディオニュシオス2世ではなく、その父であるディオニュシオス1世の治世であることが分かった。ではこれはどのような時代だったのか。彼が在位していたのは前405‐前367年である。

まず彼が僭主となる10年前、アテナイはシチリアに遠征し、シラクサは攻められた。当初は劣勢だったシラクサだったがスパルタから将軍ギュリッポスが来ると状況は変わる。最終的にアテナイ軍は全滅し、シラクサは勝者となった。

このアテナイの失敗を好機と捉えたのがカルタゴである。あのアテナイが敗北し、当分の間は西側に進出することはない。そして勝者であるシラクサも、大きな打撃を被っている。今こそシチリアへ攻め入るべき。そこでシチリア内での領土紛争を口実に、カルタゴからハンニバルがやってきた。(もちろんポエニ戦争のハンニバルとは別人)

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