影響を受けた音楽の話
同世代で盛り上がる話題として「初めて買ったCD」というネタがある。私の場合「筋肉少女帯 - 蜘蛛の糸」なのだが、進研ゼミの曲だったなーとか。1,000,000人の少女はストⅡのCM曲だったとか懐かしみつつ、インターネットの海に溺れる前はテレビから受ける影響が大きかったことを思い出す。
影響を受けた音楽… なんて語れるほど偉そうな立場ではないが、自分の嗜好やベースの音作りで参考にした音楽を今回は遍歴として綴ろうと思う。
LUNA SEA - ROSIER
当時小学生だった私は「なんか凄い音楽が攻めてきた」そんな印象だった。攻撃的な姿勢と疾走感はその後好きになる音楽の軸となったし、我々の世代はこの曲のインパクトが脳裏に焼き付いている人も多いと思う。ルナシーのキラーチューンは大抵Jのフレーズが中心に居る感じが心地よい。
BALZAC - Into The Light Of The 13 Dark Night
ミスフィッツを嗜んでから入門するのが正しいのかもしれないが、自分はV系好きの延長で聴いていた。疾走感あるパンクにB級ホラーのテイストが重なる曲調は厨二マインドから抜け出せなかった10代の自分にピタっと当てはまり、ハイスタやブラフマンよりもバルザックに夢中だった。勝手ながら、後に名乗り出す芸名「ほねおとこ」の由来でもある。
popcatcher - Bye(remix)
エアジャム世代の音楽のなかでも横浜を拠点に活動していたキャプテンヘッジホッグ、ショートサーキット、そしてポップキャッチャーを好んで聴いていた。これらはメロディックパンクの中にも叙情的なニュアンスがあり、私は勝手にEMOとして捉えていた。なお、この曲のクライマックスで登場する write your words(言葉を吐き出せ)と言う歌詞に感銘を受けてからは、それを志しのようにしている。
The Get Up kids - Coming Clean
若者言葉としての「エモい」は裏付けがなくインスタントで苦手だ。どのバンド・どのシーンをEMOと捉えるかは人それぞれで良いと思うが、私にとっての決定打はゲットアップキッズのこの曲だった。ローファイなイントロから全力で駆け抜ける感覚がたまらなく、心を撃ち抜かれたことをよく覚えている。エフェクトには頼らず儚げに魅せる雰囲気をマネしているが、なかなかこの人達のようには行かないあたりやはり本物なのだと思う。
NUMBER GIRL - 鉄風 鋭くなって
この頃から楽器の音を意識するようになり、オルタナティヴの洗礼を受けることになる。荒々しいベースとドラムにジャキっとした鋭いギターが重なり、時に叫ぶボーカル。ナンバーガールの轟音を聴いた瞬間「パンクではない何か」にぶった斬られたかような感覚だった。中尾氏の「ルードかつ直線的なベース」に影響を受けたプレイヤーは多く、私もそのスタイルに魅了された一人だ。黒のモズライトベースへの憧れは今も続いている。
凛として時雨 - 鮮やかな殺人
「これ全部好きな味がする」初めて聴いた時はそんな感想だった。ここまでに挙げたバンドを振り返っても実感できるのだが、痒いところに手が届く。気持ちいいツボを押してくれる。そんな印象が強く、この曲が収録されたアルバム「#4」を手に入れてからは中毒者のように一時期ずっとリピートで聴いていた。
VELTPUNCH - LET IT DIE (OAO)
オルタナのベースは女性だとカッコ良さが跳ね上がる。偏見かもしれないが、マイブラやピクシーズがそうである以上これは認めざるを得ないスタイルなのだろう。ベルトパンチは社会人としての一面を持ちながらクオリティの高い音楽活動を継続している点が個人的に好きで、見習うことがたくさんある尊敬すべきバンドだ。
挙げるとキリがないからこの辺りにするが、一瞬のグリッサンドだけ異様に好きな曲とかそういったニッチなものも綴れたら面白そうだ。
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