『よだかの星』 宮沢賢治・作 ささめやゆき・絵 mikihouse
いつもどこで本を見つけてるの?
あなたの本?
と聞かれます。私は、ほとんど図書館や文庫で借りています。
そして、読みたい本は、勧めてられている本を借りてみます。今回は、柳田邦男さんの本でお勧めされていた、“”よだかの星“”
表紙の絵は違います。よだかの星は、色んな方が絵本として出版されている、有名な本です。が、私は初めて手に取りました。
実に醜いよだか。
味噌をつけたようなマダラの顔、裂けた耳、平たいクチバシ。どの鳥も、顔を見ただけで、しかめ面をして、逃げていく。悪口も言われる。
なぜ、わたしはこんな風貌に生まれてきたのだろう。
タカ属ではないのに、同じタカがつく名前を持っていることが、気に食わないタカから、
名前変えなければ、噛み殺してやる。お前は、市蔵という名前にしろ、札を首から下げて、口上しながら飛び回れ。
そう言われ、よだかは、自分の存在はもう消してしまいたいと、夜空を飛び回ります。
北の星に向かってとび、西の星に向かって飛び、、落ちては、飛び、落ちては、飛び、、
星に簡単になれると思いなさんな、、
と、星からも拒まれる。
なんとも過酷な、自分の存在など、もうなくてもあっても、どうでもよくなるような、極限の境地のような気がします。
よだかの最後は、落ちているのか、上っているのか、右か左か、上か下か、、
もうわからないほど、けれど、心は安らかで、微かに笑っていたような、、
どう考えるか、どう感じたのか。
読み終わった後は、すぐに答えは出ないような本でした。
わたしは、わたし。
と割り切れない、この世界は1人ではないから、だからこそ、嬉しくも悲しいこともある。
複雑で生々しい、そんな生きるとは、を突きつけられた気がします。