見出し画像

お酒について考える

プロフィールにも書くくらいお酒が好きだ。
当たり前だが子供の頃から好きなわけではなく、気づけば「のんべえ」になっていた。

よく酒飲みは遺伝すると話題にのぼるがあながち間違いではないようで。
私の母は一時期冷蔵庫にビールサーバーを入れるほどのビール好きだったのだし、その母の父、つまり私の祖父は夜な夜な飲み屋に通い、そこのお姉ちゃん(愛人だったらしい!)の名前を母の妹に付けたという、今で言うところの「クズ男」エピソードを持っている。
(ちなみにその話は母の妹本人から聞いた。祖父はすでに他界しているので真偽のほどは定かではない。)

そして祖父と母の血を引いた私である。

初めてビールを飲んだのは件の冷蔵庫のビールサーバーから注いだもの。
苦くて、その後すぐにお腹の中が熱くなって、それ以降5年ほど飲むことはなかった。
その頃中学生。
とんだ不良やな!と思われるかもしれないが、超まじめに部活をこなす、年中真っ黒に日焼けしたスポーツ少女であり、ただただ喉が渇いていたのだ。
いつも母が美味しそうに飲むビールを、その日は炭酸飲料を飲むくらいの軽い気持ちでコップに注いだ。
決しておいしくはなかった。

ビールをおいしいと感じるようになったのは、誰かと楽しく飲むという経験をしてからだ。

数年前、子供がまだ幼稚園に通っていた頃に栄養学の講習を保護者が聞く機会があり、そこで講師の方が言っていた。
楽しい空間は、その時食べているものを「おいしかった」という記憶にしてくれる。
だから楽しい食卓での時間は好き嫌いをなくすことに繋がるんですよと。
コーヒーもビールも苦いけれど、楽しい時間を過ごした時間に飲んだのであれば「おいしいもの」と脳が認識する。
それだ!!と私は何度も深く頷きたい気持ちになった。

先週友人と数年ぶりに外へ飲みに出かけた。
びっくりするくらい最初から最後まで楽しかった。
笑いすぎて翌日腹筋が軽い筋肉痛になった。

またお酒に対する愛を深めてしまった。
すごくすごく楽しい時間で、もれなくビールもワインもおいしかった。

最近、オアシズの大久保さんがラジオで、お酒を飲むと博愛の気持ちでいっぱいになると話していた。
周りのあらゆる人やものや、すべてへの愛があふれてくるような。
そんな雰囲気のことを言っていて、またしてもそれだ!!と思った。

近頃は飲みすぎると睡眠の質が悪くなって、翌日1日中眠かったり。
若い頃のようには飲めないなあとしみじみ感じている。
健康でいたいし。
お酒からだに悪いかな、とか。

でもやっぱり時々は周りのすべてをあいしたい。
ちょっと感じ悪いアイツのことも、まあ許してやろうじゃないかと思える。
ゆるゆると、日中の緊張感から解放されて、脱力したい。
博愛の世界は、その場しのぎだとしても、明日もなんとかやれそうだという希望のようなものを与えてくれる。

だから私はお酒を飲む時間が好きだ。

ほどほどに。適量でね。




いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集