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カカポがいない。 ここが書店だということを忘れて思わず呟いてしまった。カカポがいない。 …
「わたし、生まれない方が良かったよね?」 母にそう聞いたのは4歳の頃だ。 母の名誉のため…
買い物へ行くときに必ず渡る橋がある。 その橋は大きな川に架かっている。川幅は広いがとても…
この日は快晴で、ドラえもんみたいな色の空だった。 先日、2人の友人から石切参道商店街へ占…
断言する。10歳の私がもっとも熟読したのは、広辞苑だ。 小学4年生の頃の担任は、辟易するほ…
彼女に置き去りにされたのは、後にも先にもあの時だけだった。 残暑厳しい9月の出来事だ。筆…
毎年この時期は、季節の遠心力に振り落とされそうになる。 夏服でしぶとく凌いでいたが、気がつけば10月を半分も過ぎていた。ズボラな筆者も覚悟を決めて衣替えを始めなくてはならない。 よし、と一念発起して衣装ケースを開けると、昨年ネット通販で購入したものの、素材が分厚くて着るのを断念した秋服が出てきた。着られないわけではない。ただ、着ると確実に5kgは太って見えるのだ。 お世辞にも痩せているとは言えない筆者にとって着膨れは大敵である。まさか秋服でここまで着膨れるとは夢にも思わ
「残」という字が読めなかったので、頭の中でそのまま「残」と読んでいた。 この奇妙な文字を…