真実とは何か?
『怖い仏教』を読む。ある種の事実を歪曲して受け取っているように思う。
釈迦を「悪魔的な説教家」と表現したり、発足当時のブッダの教団をカルト教団の匂いがしたのでは?との表現があります。
確かに仏教集団はある種の社会不適合者の集まりの要素があることは、佐々木閑『仏教の誕生』にも指摘はされている。
世俗の価値観で生きていける人々と一般社会には適合できなかった人々の2重構造でできている。仏教教団はある種の変わり者の集団であり、ライフスタイルのべている。ただし、釈迦の仏教は世俗的な幸せすなわち欲望に基づいて生きていける人々に無理やりこちらに入らせようとしたのではない。
むしろ、そこでは生きていきづらい、違う社会を必要とした人々の世界であった。いわゆる病院の役割だったと言われる。
その点で『怖い仏教』は、ある種、悪意に満ちた解釈で自分たちのあり方を問うているように感じた。
戒律を学ぶのには、ある種わかりやすい書であるが…考えさせられます。