セーヌ川のペニッシュ
パリのセーヌ川には
ペニッシュと呼ばれる
人の住むボートハウスが
何隻も停泊している
豪華なものもあれば
貧弱なものもあるが
暮らしている人は
いずれも趣味人ばかり
絵を描いたり
音楽を奏でながら
シックな家具に囲まれ
自由な生活を送る
性愛小説が有名な
アナイス・ニンも
ペニッシュに暮らし
小説を書いていた
『ガラスの鐘の下で』
の短編集の中には
「ボートハウス」
というものがある
自由だけど不安定、
愉しいがもの哀しい
船上の暮らしは
浮き草のようだ
何にも縛られず
誰からも干渉されず
流れるままに
人生を送ってみたい