山吹は一重がいい

道端に黄金の花が
たくさん咲いている。
朝日の光に煌めき、
金色がさらに輝く。

その花が山吹であると
知ったのは最近のこと。
山吹は八重の花だと
信じ切っていたからだ。

道端の山吹は一重で、
五つの花弁で咲いている。
清楚で気品溢れる花は
髪飾りにしたいほど。

枝を蔓のように伸ばし
たくさんの花をつける。
少しだけ切り取り、
小さな花瓶に活けた。

暗い部屋に光がさし、
ほんのり明るくなった。
優しく暖かく輝く、
一重の山吹が愛らしい。