フィルムカメラ

那須の山里そばのほしを訪れると
隣には都会風の青年が二人。
一人はいろいろな山里の幸が
調理されたそばコース。
もう一人はほしさんが山で採った
天然舞茸の天麩羅そばを食べている。

「おお!」と二人は顔を見合わせ、
驚きとともに写真を撮り出した。
一人は携帯で撮るが、もう一人はカメラ。
1枚撮るごとに手で巻き上げる。
「フィルムカメラなの?」
思わず声を掛けてしまった。

「そうなんです」とにっこり。
年代物のカメラと見受けた。
「フィルムで撮るのが
若い人に流行ってるらしいね」
「はい、ペンタックスから新しい
フィルムのカメラも発売されたんですよ」

「フィルムの装填に手間取ったりした?」
西野鷹志さんのnote*を読んでいたので
そんなふうに聞いてみた。
彼は笑いながら「そうなんです」。
ボクも昔はフィルムカメラを使っていた。
ニコンのあとキャノンを使った。

彼の天然舞茸天麩羅そばの写真は
どんな味わいのものになったのだろう。
モノクロ写真であることは間違いない。
彼らはボクよりも先にそば屋を出て、
駐車場で自分の車を撮影していた。
秋がやってきた雑木林を背景に。

「このクルマは今回の旅行で最後。
10万キロも走ったエスティマですが、
手放してしまうんです」と寂しそう。
現像や焼きは自分でするのだろうか。
そんな余計なことまで考えたけれど、
フィルムカメラっていいなあと思った。

*西野さんのフィルムカメラの記事はhttps://note.com/taka0770/n/n374089559ab1