花が咲くお茶

上海に行ったとき、
花の咲く工芸茶を知った。
手摘みの茶葉を糸で束ね、
花を包み込んで丸く成形する。
中国の花茶の一つである。

耐熱硝子でできた
透明な湯飲みに花茶を入れ、
静かに熱湯を注ぐ。
ゆっくりと茶葉が開いて
綺麗な花が顔を覗かせる。

水中花を見るような
鮮やかな花が咲いている。
花を鑑賞しながら、
お茶をいただくのである。
まさに至福の一服だ。

手作りの工芸茶。
職人が花を咲かせたいと
作り上げたお茶である。
汪芳生という人が発明し、
今も息づいている中国茶。

どんな花が咲くかは
湯を入れるまでわからない。
百合や菊や千日紅、
カーネーションや
マリーゴールドが使われ、
赤い花や黄色い花が咲く。
僕の大好きなお茶なのだ。