桜餅は長命寺か道明寺か
桜の葉が巻かれた
桜餅は春の和菓子。
塩漬けの葉が
甘い餡にいい案配。
花見などしながら
いただけば最高だ。
「ねえ、桜餅は
長命寺と道明寺と
どっちが好き?」
そう妻に聞かれ、
何のことなのか
わからなかった。
長命寺は関東風で
漉し餡を餅皮で包み、
さらに葉で包んだもの。
餅は白玉粉や上新粉、
隅田川沿いの向島、
長命寺前の山本屋が発祥。
道明寺は関西風で
道明寺粉を用いた
餅に粒餡を詰めて、
桜の葉で巻いたもの。
俵型や球型が多く、
大阪の土佐屋が発祥とか。
長命寺は三百年、
道明寺でも二百年の
歴史を誇る菓子である。
さあてそれがわかって
どちらが好きかだが、
妻は関東風である。
一方で僕は断然関西風。
道明寺餅のつぶつぶの
食感が大好きなのだ。
桜の葉の芳しさも
花の香りがするようで
僕は京都の桜を思い出す。
古文書によれば桜餅は
京都にある桔梗屋の
河内大掾が菓子目録に
載せたのが始まりだとか。
今の桜餅とは異なる
菓子だったようだけど、
京を彷彿したのはまんざら
間違ってもいないようだ。